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図解樹脂部品設計

短納期射出成形を成功させるためのクイック リファレンス ガイド Volume 1

射出成形プロセス

1. ホッパーに樹脂ペレットを入れます。
2. 熱せられたシリンダ内で樹脂を溶かします。
3. スクリューで溶けた樹脂を金型に流し込みます。
4. 樹脂が冷えて固まります。
5. 金型が開いて成形品が離型します。

短納期射出成形とは

金型製作

  • 金型をアルミから製作
  • 3 軸CNC マシニング切削加工

射出成形による本物の樹脂成形品を短納期で入手

  • 最短1 日でCAD モデルから樹脂パーツを成形
  • 標準納期:10 営業日
短納期射出成形の利用分野

試作品を本物の成形部品で確立

  • 製品開発段階での機能評価テスト
  • 複数の材料で試作
  • 複数の形状を試作

先行量産

  • 量産金型に先立って成形品を生産

少~中量生産

  • 25 個から数千個単位
  • ジャストインタイムでの成形品の供給を実現して、在庫コストを削減

緊急対応

  • 生産ライントラブルの緊急リカバリ
  • 緊急開発プロジェクト
短納期射出成形を利用する市場
  • 医療機器
  • 自動車
  • 電子機器
  • その他少~中量生産を要する分野
  • コンシューマ製品
  • 電化製品


肉厚の設計

肉厚を均一化することが射出成形を成功に導きます。

 

* ポイント: 射出成形品の設計にあたっては、成形品のそりや歪みを避けるために肉厚を均一化させましょう。


肉抜きの重要性

肉抜きにより過度な肉厚を避けます。

  • 良好な成形品によって安定した機能性を得ることができます。

* ポイント: 必要以上の肉厚はパーツ寸法を狂わせたり、強度を低下させたり、成形後の加工が必要になることがあります。

推奨肉厚

樹脂ごとの推奨肉厚

樹脂 推奨肉厚(mm)
ABS 1.1 - 3.5
POM(ポリアセタール) 0.7  –  3.0
アクリル 0.6  –  3.8
LCP(液晶ポリマー) 0.7  –  3.0
LFP(長繊維強化熱可塑性樹脂) 1.9  – 25.4
ナイロン 0.7  –  2.9
PC(ポリカボネート) 1.0  –  3.8
ポリエステル 0.6  – 3.1
PE(ポリエチレン) 0.7 –  5.0
PPS(ポリフェニレンサルファイド) 0.5 –  4.5
PP(ポリプロピレン) 0.6 –  3.8
PS(ポリスチレン) 0.8 – 3.8

注:一般的な指針です。パーツの形状や成形方法によって異なります。

* ポイント: Proto Labsでの推奨肉厚は1.0 - 3.0mmです。


そりを避ける

異なる肉厚間にスロープを設けることで段差部に発生する応力を緩和できます。

リブ形状を追加することによってそりを防ぐことができます。


応力を緩和

シャープな角はパーツの強度を低下させます。

  • シャープな角には応力が集中し、樹脂の流れが妨げられます。
  • 形状に応力集中部が発生します。

 

リブを最適に

ヒケを防ぐには、リブの厚さは壁の厚さの約半分くらいが理想的です。


ボスの肉厚に注意
  • ボス形状の肉厚は厚くならないようにしましょう。ボスと隣接させる形状がある場合は特に注意が必要です。
  • 厚肉部分にはヒケやボイド(空洞)が発生しやすくなります。

抜き勾配を付ける

できるだけ抜き勾配(垂直面に傾斜)を設けるようにしましょう。これにより、成形品がスムーズに金型から離型され、離型によるキズやエジェクタの食いつき痕を軽減することができます。より早く、より良い成形品を入手するための秘訣です。


コア・キャビティ設計

図のようにリブ構造ではなく、コア・キャビティ構造にして抜き勾配を設けることで、肉厚を均一化することができます。また、表面仕上げも容易になり、迅速に質の良い成形を実現できます。


深い切削への対処

形状にはできる限り抜き勾配を付けることで、深さのある形状をスムーズに成形できます。目安としてパーティング ラインからの深さ25mm毎に1°の抜き勾配が必要となります。

表面仕上げ

Proto Labs では表面仕上げを選択でき、ビーズブラストによるシボ加工も選択できます。シボ加工を施す面には抜き勾配が必要で、標準(細目)の仕上げは3°以上、中程度の仕上げでは5°以上が必要になります。

2方向抜き金型ならお得

 

 

2方向抜き金型ならお得

すり合わせ形状であれば、2方向抜き金型で製作できます。すり合わせ面の角度は3°以上が推奨されますが、スライド構造の金型で成形するよりもコストを大幅に抑えることができます。

 

スライド


スライド構造は、製品形状の外側から金型部品をスライドさせることよって、アンダーカット形状を製作することができます。

 

 

バンプオフでスムーズに離型(無理抜き)


「バンプオフ」とは小さなアンダーカットで、スライドを使用せずに2方向抜き金型からスムーズに離型できる形状です。軽微なアンダーカットであればバンプオフで対応できますが、寸法、樹脂の種類、方向などの条件を満たす必要があります。

 


置き駒

置き駒は、アンダーカット形状を成形するために金型の一部を分割した金型部品です。成形品とともに押し出され、オペレータが成形品から 取り外して再度金型に挿着する作業が繰り返されます。

 

深い小径穴

小径で深い穴形状は、鉄製のコアピンで製作します。鉄製のコアピンはエジェクションの応力にも十分耐えられる強度を持ち、抜き勾配を設けなくても比較的スムーズに離型できます。

文字に配慮

文字の太さが0.5mm 以上あるゴシック体(サンセリフ 系フォント)を選択しましょう。成形が難しいのはセリフ 系のフォントで、「ひげ飾り」と呼ばれる文字のストロー クの端にある装飾部分が小さすぎることが影響します。成形品の表面から文字が突起していることが理想的です。つまり、金型自体に文字を彫り込むことが望ましく、金型に文字を突起させて成形品に彫り込む場合は、金型の文字のまわりを磨ききれないことがあり、外観に影響します。

SolidWorks では、Century Gothic 26 ポイントの 標準フォントおよび16 ポイントの太字フォントは金 型彫り込み可能な文字サイズです。

Comic Sans MS 24 ポイントも彫り込み可能な文字 サイズです。

小さい文字の場合、深さを0.25 ~ 0.38mm 程度 にすることで、成形品のスムーズな離型を可能にし ます。

ゲートの位置

ゲート部の肉厚が薄いと、樹脂の充填が悪くなり、またゲートカットの際には成形品が破損する可能性があります。ゲート位置には十分な肉厚が必要です。他の方法もご提案できる場合があります。弊社のカスタマーサービス エンジニアにご相談ください。


自己嵌合パーツ

同一形状のパーツが互いに嵌合する自己嵌合パーツを設計すれば、金型も1つで済み、コスト低減につながります。

以下の要素に対応します。

  • ボスと穴
  • フックとラッチ

標準公差
  • Proto Labs の最小公差(精度)は、± 0.1 となります。
  • 寸法が大きくなるにしたがって、公差も大き くなります。樹脂によって異なりますが、例 えばABS やPC(ポリカーボネート)など の比較的収縮率が小さい樹脂では10mm あたり0.02mm、POM(ポリアセタール)やPP など収縮率が大きい樹脂では10mm あたり0.04mm が最小公差(± 0.1)に追 加されます。
  • 弊社のプロセスで精度を高める方法もあります。カスタマーサービス エンジニアにご相 談ください。 電話: 0120-2610-25 Email:customerservice@protolabs.co.jp.

 

材料の選定

樹脂の選定にあたっては、機械特性、物理特性、耐薬品、耐熱、耐電性、可燃性、耐UV 性などの要件を 考慮しなければならない場合があります。樹脂メーカーなどが公開しているデータをご確認ください。

 

汎用樹脂

PP(ポリプロピレン)̶

  • 低強度
  • 高耐衝撃性
  • 低価格
  • 高耐薬品性
  • リビングヒンジ構造に最適

PE(ポリエチレン)̶

  • 低強度
  • 高耐衝撃性
  • 低価格
  • 高耐薬品性
  • リビングヒンジ構造に最適

PS(ポリスチレン)̶

  • 硬質
  • 透明
  • 低価格
  • もろいが強化可能
エンジニアリング樹脂

ABS

  • 低価格
  • 耐衝撃性
  • 装置や受話器のハウジング

POM(ポリアセタール)

  • より高価
  • 高強度
  • 優れた潤滑性と加工性
  • 過度な肉厚にとても敏感

LCP(液晶ポリマー)

  • 非常に高価
  • 非常に高強度
  • 非常に薄いパーツにも対応可能
  • ウェルド強度が低い

ナイロン

  • 手ごろな価格
  • 非常に高強度
  • 特にガラス含有材は変形が発生しやすい
  • 水を吸収して、寸法および特性が変化する

PC(ポリカボネート)

  • 手ごろな価格
  • 高耐衝撃性
  • 優れた寸法精度
  • 薬品ストレスクラック、ボイドが発生しやすい

ポリエステル―PBT、PET、PPS、PSU、PES、PEI その他多数

 

 

 

色合わせの対応

標準色̶樹脂メーカーからの標準色は通常、黒またはナチュラル色です。ナチュラル色とは、白、ベージュ、琥珀色などです。カスタム色は、ナチュラル材に着色材を添加して作成します。プロトラブズでは色合わせに ついてご相談に応じております。カスタマー サービス エンジニアにご相談ください。

樹脂添加物

短ガラス繊維は、樹脂を強化して特に高温でのクリープを防止するために使用します。ガラス繊維は樹脂をより強く、より堅く、脆化させます。

炭素繊維を使用して樹脂を強化または堅くしたり、静電気を除去します。ガラス繊維と同じ制約があります。

鉱物 (タルクや粘土)も、添加剤として利用されることがあります。コストの低減、完成パーツの硬度を高めるために使用します。冷却時に樹脂ほど収縮しないため、そりを軽減できます。 

PTFE(テフロン)と二硫化モリブデン を配合して、ベアリング パーツの潤滑性を高めます。

長ガラス繊維は、短ガラス繊維と同様に樹脂を強化してクリープを防止するために使用します。また、樹脂の強度と剛性を増します。欠点は、薄い肉厚や樹脂の流動距離が長い場合に成形が特に難しいことです。

アラミド(ケブラー)繊維はガラス繊維に似ていますが、強度と研削性に劣ります。.

ガラスビーズと雲母フレークは、樹脂を堅くしてそりや収縮を軽減するために使用します。含有率が高いと、成形が難しい場合があります。

ステンレス鋼繊維はEMI(電磁妨害)やRFI(無線周 波妨害)を制御するために使用します。通常は、電子部品のハウジングで使用します。炭素繊維よりも誘電性に優れています。

UV 抑制剤は、野外で使用する樹脂に添加します。

静電処理により、樹脂の静電気を除去できます。

お問い合わせ先

  • TEL: 0120-2610-25または 046-203-9100
  • Email: info@protolabs.co.jp
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