Design Tip

射出成形パーツにおける適切な表面仕上げの選び方

意匠性の高い外観部品から、外観はあまり問われない内蔵部品まで、射出成形で作られたパーツはいたるところに存在します。そのようなパーツの表面仕上げに注意を払う人はそれほど多くありませんが、プロダクトデザイナーや設計者にとっては重要です。

適切な表面仕上げのレベルを判断するには、いくつかの大事な要素を考える必要があります。その要素とは、そのパーツが製品開発のどのステージにあるものか、どのような素材で製作するのか、そしてどのような用途で使われるかです。

樹脂パーツの表面仕上げ

射出成形で使用される熱可塑性樹脂は何百種類もあり、それらの中には柔軟性や強度に富み、そして外観を綺麗に仕上げることができるものもあります。プロトラブズでは、3軸マシニング加工でアルミ型を短納期で製作し、ご要望に応じて、シボ加工から鏡面仕上げまで、7つのレベルで表面仕上げを行っています。

PM-F0: 低コスト仕上げ(切削したままの面、無処理)
PM-F1: 内装品レベル仕上げ(大部分のツールマークを除去する)
SPI-C1: 外観部品として必要な仕上げレベル(ツールマークを除去し、 600番のグリッドストーン処理、表面粗さRa = 0.25 - 0.30)
SPI-A2: Grade #2 Diamond Buff
PM-T1: 標準 <細目> のシボ加工(SPI-C1仕上げの上に微細粒のビーズ ブラストによる処理)
PM-T2: 粗目のシボ加工(SPI-C1仕上げの上に中程度のビーズ ブラストによる処理)
SPI-B1: 外装品上級レベル仕上げ(SPI-C1に600番のグリットペーパ処理を付加、 表面粗さRa = 0.20 - 0.25)
SPI-A2: 鏡面仕上げ (レンズや光沢面が必要な外装品用途向け最上級仕上げ。 表面粗さRa = 0.03 - 0.05)

どの表面仕上げも金型に直接施され、それが射出成形の過程でパーツの表面に転写されます。一般的には、金型の表面仕上げによってパーツの表面状態も変わりますがガラスが含有されている樹脂やエラストマー樹脂などの場合は、パーツの表面状態が期待したとおりにならないことがあります。

表面仕上げサンプルプレートをご依頼ください

特にガラス繊維が多く含有された樹脂の場合は、金型の表面仕上げが鏡面に近いほど成形パーツの表面にガラス繊維が浮き出たように見える状態になり、パーツ表面は金型の表面仕上げとはかけ離れた見栄えになりやすくなります。プロトラブズでは、標準在庫材料ごとに 7 種類の表面仕上げを施したサンプルプレート(図 1 )を取り揃えていますので、使用予定の材料に応じてお気軽にご相談ください。

プロトラブズでは、完全な双方向性を備えたお見積りにより、お客様の設計に対して製造性の観点からフィードバックさせていただきます。特に問題となりうる箇所をハイライトして表示する見積りでは、たとえばシボ加工に際して抜き勾配が不足している面を色分けしてご案内します。

シボ加工面に抜き勾配が必要な理由は、離型時にパーツに傷がつかないようにするためです。PM-T1仕上げの場合には最低3°、PM-T2の場合には最低5° の抜き勾配が必要になります。また、深さがある薄いリブ形状の面にシボ加工を行う場合には、対象の面にブラストを当てやすくするため、金型を入れ子分割する場合もあります。

Color coding custom finishes example
図 1 異なる仕上げの領域を色分けした図。プロトラブズ サンプルプレートはカスタム仕上げの例でもあります。
カスタム表面仕上げ

プロトラブズの見積り画面上では金型の固定側、可動側それぞれ7種類の表面仕上げの内、1種類の表面仕上げを選択するようになっていますが、部分的に異なる表面仕上げが必要とされる場合は、カスタム仕上げの設定が可能です。

指定にあたっては下図のように色分けされていると、カスタム仕上げの適用がスムーズです。また、3D CADでの設計に際しても対応していただきたい点がいくつかあります。

  • 異なる仕上げの領域を色分けした図を JPEG や PDF で用意
  • 面を明確に定義。仕上げの際のマスキングに必要な最低0.1㎜程度のフィーチャーの高低差(境界)が必要です。
  • CADのデータ上で、前述の仕上げに応じた抜き勾配がついていること。

ゲート位置やエジェクター位置についても、特に外観部品の場合には考慮しなくてはならない要素です。透明色や意匠面があるパーツなどは、ゲートカット跡やエジェクターピンの跡について制限が多くなりますので、カスタマーサービスエンジニアがご相談に対応します。

Image of LSR part
図2 LSRの表面仕上げオプションは、熱可塑性樹脂を使ったパーツとほぼ同じです。
LSRパーツの表面仕上げ

液状シリコーンゴム(LSR)は熱硬化性樹脂で、通常の射出成形とは成形の方法が異なり、2種類の液体を混ぜ合わせて射出成形を行います。

LSRパーツの仕上げオプションは、熱可塑性樹脂の仕上げからSPI-B1の仕上げを除いたものとほぼ同等です。熱可塑性樹脂と同様に部分仕上げ(カスタム仕上げ)も可能です。熱可塑性樹脂と違い、LSRパーツは、エジェクターを使わず手で金型から引き剥がす方法を採用することが多く、その場合はエジェクター跡が残りません。また、流動性も良いため、ゲートも小さく設定でき、カット跡も比較的目立たなくすることができます。

 

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