Design Tip

TRW Automotive社がクロックスプリングの開発に プロトラブズの射出成形を活用

今回のDesign Tipsでは米国TRW Automotive社によるプロトラブズの射出成形サービス利用事例を紹介します。原文はこちらからご覧ください。

乗用車やトラックのハンドルは単なるステアリング以上の役割を果たします。ステアリングコラム(ハンドルの軸)には、ステアリング以外の多様な操作を可能にするための機能が組み込まれています。安全な走行と利便性のための機能です。例えば、衝突事故の際にはエアバッグを膨らませる指示を伝達したり、ハンドルから手を離さなくてもラジオ局を切り替えることができるのもその一例です。

ウィンカーやワイパーのスイッチからクルーズコントロール、さらにはハンドル自体の温めまで、便利なボタンやスイッチと対応する機構をつなぐ役割を果たすのが、クロックスプリングと呼ばれる樹脂製の円盤で、ハンドルとステアリングコラム制御モジュールの間に配置されています。

音楽のボリュームを上げるためにハンドル上のボタンを押すことはあっても、その仕組みを意識することはほとんどないでしょう。普通は気にしないこの仕組みに取り組んでいるのがRick Bowes氏です。Bowes氏は、ミシガン州に拠点を置くTRW Automotive社の車両制御システムグループの設計者です。同社はアクティブセーフティーおよびパッシブセーフティーの機器を世界的に展開しています。

クロックスプリングは、一般的にはステアリングコラムモジュールの中心に配置されています。

「(自動車メーカーは)、もっと多くの機能を小さな空間に詰め込もうとしています」とBowes氏は言います。「我々の挑戦は、その小さなスペースの中で、求められるすべての機能を実現することなのです。ステアリングコラムの下にワイヤがぶら下がっているのを見ることはありません。つまり、それらは目につかないどこかにある、ということになります。」

クロックスプリングの改善に継続して取り組むBowes氏は、プロトラブズのサービスを使い続けています。この5年間にプロトラブズは、TRW社が必要とするクロックスプリングローター、ハウジング、カバーなどのクロックスプリングのアセンブリを構成する主要パーツ、数百点の試作をお手伝いしてきました。

「一般的には、一つのクロックスプリングのアセンブリは、15個から20個のパーツで構成されます」とBowes氏は言います。「そのうちの半数のパーツで試作が必要だとすると、それに試作の回数を掛けてみれば、きわめて短期間のうちにたくさんの試作パーツが必要になることがわかります。」

射出成形による試作が最もロジカル

Bowes氏はすでに量産が展開されている部品について、「既存の内部構造を活用した新たなコンセプトを検証する際にも試作部品が必要になります。また、異なる思考過程を統合して、弊社の工場における既存のアセンブリプロセスに合うようにする必要もあります。プロトラブズは納期が速いので評価とテストを行う上で、大いに役立ちます。」と述べています。

Bowes氏によれば、TRW社ではプロトラブズの射出成形サービスを利用して、クロックスプリングローターとカバーをポリアセタール、ハウジングをPBT(ポリブチレンテレフタレート)で作っています。

Bowes氏は射出成形を試作のプロセスに利用することについて、「この手のパーツには、もっともロジカルな方法なのです。クロックスプリングは、ホッケーのパックとほぼ同じくらいの大きさなので、マルチキャビティの金型で依頼できます。スイートスポットのど真ん中といえます。」と述べています。

コスト効率の良い試作にプロトラブズのサービスは効果を発揮し、大規模な量産に向けて鉄製の金型を作り始める前に実施する設計の検証、パーツのテストや評価に有効です。Bowes氏は、必要に応じてプロトラブズの切削加工サービスを使って、試作部品の一部だけを削り出すこともあります。これによって、サブシステムや設計要素がどのように機能しているのかを確認できるのです。

Bowes氏によれば、プロトラブズの双方向見積りシステムとカスタマーサポートエンジニアも、試作プロセスの一助になっています。3D CADデータをプロトラブズのWebサイトからアップロードすれば、数時間後には設計に対するフィードバックと費用がわかります。Bowes氏は「パーツデータをアップロードできるのは便利です。また、見積りのインターフェースは、様々な要件を検証するための柔軟性に富んでいます。」 と述べています。

 

ケーブルの収まりや電気系統の確認のために試作

レンダリングイメージは、複雑な構造をしたクロックスプリングの上下のビューを表示しています。

「クロックスプリング」という名前の由来は、以前FFCが一つの方向に巻かれ、機械時計の渦巻き状のバネに似ていたことにあります。クロックスプリングには通常、このようなFFCが2つから4つ入ります。しかし、完成車メーカーの要求によっては、もっとたくさん入る場合もあります。

「設計の過程において、私たちが注意を払うことの一つが、ケーブルが破損しないようにすることです」とBowes氏は薄いケーブルについて述べ、さらにこう続けます。「信号が適切に伝わるように電流についても注意を払わなければなりません。特にエアバッグは重要です。統合安全システムに組み込まれたパーツとして、100%機能しなければならないのです。」

Bowes氏をはじめとするTRWの従業員は、現在、年内に完成の可能性もある次世代のクロックスプリングの開発に取り組んでいます。TRW Automotiveは、1904年に創業され、2014年度の売り上げは175億ドル(約2.2兆円)にのぼっています。さらに子会社を通じて、24ヶ国で事業を展開し、従業員数は65,000人です。

 

今回のDesign Tipでは米国の自動車部品メーカーの事例をご紹介しました。国内のお客様の事例はこちらからご覧ください。 お客様からのコメントはこちらでご紹介しています。

 

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