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複雑な<ねじ>をスムーズに成形するには?ねじの成形とその設計方法

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成形ねじはペットボトルのキャップ、キッチンシンクの下に排水管を取り付けるためのナット、子供用玩具の組み立てに使うポップな外観のねじなど、あらゆる場所で使用されています。これらは私たちが毎日目にしている樹脂パーツのほんの数例にすぎません。このようなねじパーツの多くは多数個取りの金型を使用して量産成形されていますが、金型の設計と製造には多大な時間とコストがかかります。

ねじを短期間で成形

時間や予算が限られていてもご心配はいりません。プロトラブズはそのようなお客様のために存在しています。我々は一般的な射出成形の設計ガイドラインに沿いながら、迅速にパーツを製造することができます。この記事では以下の6つのポイントから、ねじを成形する上で考慮すべき事項について説明します。

1、 成形するねじの大きさとピッチ
2、 ねじ山のアンダーカット
3、 成形ねじのパーティングライン
4、 置き駒を使用した内ねじの成形
5、 成形ねじの材料選定
6、 ベストプラクティスの採用

 

成形ねじはどこにでも見られます。ペットボトルとそのキャップは、樹脂成形ねじの主要な用途例です。

成形ねじはどこにでも見られます。ペットボトルとそのキャップは、樹脂成形ねじの主要な用途例です。

成形するねじの大きさとピッチ

ねじはもともと、金属製のパーツに加工するために考案され、樹脂射出成形が主流になる、はるか前に標準化されました。この標準化は、樹脂パーツの設計者を悩ませる部分でもあります。まず、近所のホームセンターにあるような一般的なねじは山の角度が60°で比較的谷が浅めです。丈夫な金属など、パーツの材料強度が高ければ問題ありません。しかし、樹脂製のねじはねじ山が潰れやすくなります。ピッチが狭いねじや、太さが鉛筆以下のパーツの場合は特にその傾向があります。そのため、弊社では大きさにかかわらず、できる限りピッチを大きくすることを推奨しています。

ねじ山のアンダーカット

外ねじに関しては、ねじ山が不完全になる可能性があることを覚えておいてください。弊社ではボールエンドミルまたはスクエアエンドミルを使用した3軸のマシニングセンターで全ての金型を加工しています。このためパーティングラインの近傍に約10度のわずかなアンダーカットが発生します。

これは非常に大きなねじや粗いねじを除き、ほとんど目立ちません。大きなねじでは、アンダーカットになるねじ山部分を局部的に取り除いてもよいでしょう。ただし、そうすることでねじの強度が若干低下し、ねじの締め込みが少し難しくなる可能性があります。また、アンダーカットを回避する方法の1つに、金型にスライドを使用する方法があります。これにより、アンダーカットが解消できますが、金型にかかる初期コストが増加するため、本当に必要かどうか、弊社のエンジニアとも相談することをお勧めします。

成形ねじのパーティングライン

もう1つの考慮事項はパーティングラインです。これは少なくとも外ねじでは考慮する必要があります。通常は、ねじの軸を中心に2分割し、金型の固定側と可動側で形成します。前述のとおり、スライド金型を採用しない限り、ねじ山にはアンダーカットが発生します。一方、スライドを使用すると、金型の合わせ目に多少バリや段差が発生する場合があります。こちらもあまり目立ちませんが、製造方法を決める際には、どのような結果が予想されるか、必ず把握しておく必要があります。

置き駒を使用した内ねじの成形

内ねじにはまた別の問題があります。弊社では複雑な内ねじ処理機構を金型に設ける代わりに、手でセットする置き駒を使用して内ねじを製造しています。これにより金型のコストを抑え、納期短縮を可能にしていますが、置き駒は1ショットごとに、成形品から取り外す必要がありますので、成形サイクルが少し延び、パーツのコストも若干増加することになります。対応できる目安としては、内ねじの直径は8mm70mmになります。また、置き駒を回して抜く際に固定できる形状が成形品外周にないと、成形品から置き駒を取り外せなくなってしまいます。 

成形ねじの材料選定

手でセットする置き駒を使用する場合、また別の制限が生じます。それは材料選択の幅です。多くのエンジニアリングプラスチック(特にガラスなどの繊維を含有するもの)は離型性が悪いため、置き駒を人の手で取り外すことは難しくなります。内ねじのある成形品をスムーズに生産するには、ガラス繊維を含有する材料を避けて、ABSPOM、またはナイロンなどをご検討ください。外ねじの場合はこのような制限はありません。

ねじはもともと、金属製のパーツに加工するために考案されましたが、画像の六角ニップルのように、現在は樹脂製の成形ねじも一般的になりました。パーツを設計する際には金属製にした場合よりも潰れやすくならないよう、ねじの大きさとピッチを考慮するか、材質を慎重に検討してください。

ねじはもともと、金属製のパーツに加工するために考案されましたが、画像の六角ニップルのように、現在は樹脂製の成形ねじも一般的になりました。パーツを設計する際には金属製にした場合よりも潰れやすくならないよう、ねじの大きさとピッチを考慮するか、材質を慎重に検討してください。

ベストプラクティスの採用

以上の点とは別に、樹脂射出成形を成功させるには他のDesign Tipsで取り上げられている「ベストプラクティス」のルールに従って設計する必要があります。ねじパーツも例外ではありません。 

  • パーツを容易に取り出せるように抜き勾配は1度以上つける。
  • 肉厚を一定にして鋭角部をなくす。
  • 止めねじや逆ねじは避ける。置き駒を容易に取り外せるようにPM-F1以上の表面仕上げを選択する。

別のねじ加工方法

最後に、方法は1つだけではないことを忘れないでださい。少なくとも試作で少量製作する場合は、射出成形よりもコスト効率よく、ねじを切削加工できることがあります。また、数量が増える場合にも、代替手段としてタッピングねじの使用や、ねじのインサート成形を検討してもよいでしょう。

また、『機械設計便覧』などに記載されている標準的なねじの形状から一旦離れてみるのもよいでしょう。嵌合パーツを設計していて、標準的な既製部品と締結する必要がないのであれば、教科書どおりに設計しなければならない理由はありません。

ねじ付きの医療器具部品、ねじ止め式の電子機器ケース、その他ねじ形状を含む射出成形品の設計をお考えでしたら、弊社にご相談ください。3D CADデータをアップロードいただければ、パーツのお見積りとともに製造性の解析をご提供いたします。必要な場合は弊社エンジニアまでお気軽にお問い合わせください。樹脂射出成形によるねじの設計をスムーズに進めることができるでしょう。

本件に限らず、ご質問やご不明な点につきまして、弊社エンジニアまでお気軽にお問い合わせください。
電話:0120-2610-25
Email:[email protected]

ご参考:
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技術資料(ホワイトペーパー):

図解 樹脂部品設計 Vol 1

樹脂射出成形を考慮した樹脂設計について図解しました。射出成形の仕組みから推奨肉厚、肉厚、表面仕上げ、公差、キャビ・コア、樹脂の選定など樹脂製品の設計にお役立てください。

図解 樹脂部品設計 Vol 2

凹凸形状や穴形状、直線や曲線などさまざまなフィーチャを備えた樹脂パーツの設計に関するアドバイスをまとめました。 スライド、テーパ合わせ、置き駒、無理抜きなどに関する解説もお役立てください。