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射出成形パーツの外観不良と、それらの問題を避ける8つのコツ

~外観上の問題を早期に解決!見栄えを改善し射出成形パーツの製造効率UP!~

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射出成形でも他の製造プロセスと同様に、特有の設計ガイドラインの適用が必要になります。そのガイドラインに沿った最適な方法でパーツ設計をすることで、充分な構造上の強度を持ち、表面の仕上がりも綺麗なパーツ、そしてそれらのパーツを使った製品を実現することができます。

以下に示すのは、樹脂射出成形パーツを製造する際に問題となる典型的な外観不良と、それらの問題を避ける8つのコツです。

1.成形されたパーツの「ヒケ」を避ける

ヒケは成形されたパーツの表面に現れる緩やかな窪みです。一般的に適正な肉厚よりも厚すぎる、パーツの肉厚が不均一である、あるいは不適切なゲート位置(融解した樹脂を金型に流し込む入口)がその原因になります。ポリプロピレン(PP)やアセタール(POM)をはじめとするいくつかの樹脂はヒケが生じ易い一方、ガラス繊維などを含有した樹脂の場合にはヒケが生じにくい性質があります。樹脂の種類に応じた推奨肉厚についてはプロトラブズのWebページに公開していますので、ご活用ください。また、金型内部での樹脂の流動方向は、可能な限り肉の厚い部分から薄い部分へ流れるよう考慮し、適切なゲート仕様・肉厚等を設定することでヒケを防止できる可能性があります。

2.射出成形の際の反りを避ける

使用する樹脂の適切な厚みと比較して薄すぎるパーツは、反りが発生してしまう可能性がありますが、一般的な肉厚のガイドラインに沿って設計することである程度対策することができ、ヒケ対策と同様の方法となります。また、ガラス繊維含有の材料は樹脂の流れに沿った繊維配向により繊維が向いている方向とその直行方向とで収縮差が異なることで反りが発生しやすくなります。対策として、薄肉部分を補強するガセット(補強用の板形状)やリブ構造を設けることが、比較的有効な方法となります。

Avoid defects in molded parts
垂直な立ち壁面、つまり金型の抜き方向と平行に設計されている面に適切な抜き勾配が設定されていなければ、パーツの表面に引っかいたような擦り傷が発生します。
3.成形されたパーツのかじりを避ける

適切な抜き勾配の設定は、スムーズな金型設計・加工に欠かすことのできない条件です。垂直な立ち壁面、つまり金型の抜き方向と平行に設計されている面は、最低でも0.5度、可能ならば2度、深いシボがある場合には5度以上の抜き勾配を推奨します。適切な抜き勾配がない場合は、金型からパーツの取り出しの際、表面に引っかいたような擦り傷が発生するなど、大きな離型抵抗により製品の突き出しが困難であったり、最悪の場合金型からパーツが取り出せないなどの重大なトラブルを引き起こす可能性があります。抜き勾配でお悩みの場合は、お気軽にプロトラブズのカスタマーサービスにご相談ください。

4.成形されたパーツのバリ

射出成形で製造された様々な樹脂・ゴム製品等をよく観察すると、製品の外周に沿って細い線を見つけることができます。これをパーティングラインと言い、二つの金型の合わせ目に現れる継ぎ目の線です。 そのパーティングラインに沿ってペラペラしたバリが付着している場合があります。エラストマーやフィラーのないナイロンのような粘度の低い樹脂の場合には、ごく少量の樹脂が金型のパーティング面の隙間に入り込みパーティングラインに沿って微小なバリが発生する場合があります。また、ドーナツ形状等で製品最外周部分がR形状や自由曲面等で構成されている場合はパーティングラインを設定するうえでほとんど選択の余地はありません。四角い形状の場合、角形状(ピン角)が多く設定されている場合があり、この角部分を上手く使用することでバリが目立ちにくいパーティング面を設計できたり、パーティングラインの繋ぎ目を目立たなくするなど、製品の見栄え向上に繋がります。プロトラブズではそれらを踏まえ、製品製造性を考慮した最適なパーティングラインを確保するため、事前に形状変更を提案させていただく場合があります。その際にもプロトラブズのオンライン双方向見積りシステムProtoQuoteにて迅速かつ明確に内容をご確認できます。

5.ウェルドラインとその回避方法

時と場合により射出成形パーツ上に毛髪の太さ程のひびにも見える細い線が現れることがあります。気になることがあるかもしれませんが、これは割れやひびではありません。これらは成形時に金型内部の形状により一度分岐した樹脂の流れが再合流する際に発生するウェルドラインというものです。ウェルドラインは、製品に設けられた開口形状の周辺に発生し易く、主に見栄え上の懸念材料となります。また、ネジの締結部等の大きな応力がかかる部位にウェルドラインが発生している場合はパーツがネジの締め込み等で破損する可能性があります。このような場合には穴の外周に沿ってリング状に増肉することで補強したり、ウェルドラインの位置をずらすために敢えて製品肉厚を変動させるなどの手法が考えられます。

6.パーツ表面の不良と仕上げ処理

プロトラブズの表面仕上げの選択肢の一つ「PM-F0(低コスト仕上げ・切削したままの面)」では、パーツ表面のツールマーク(工作機械による切削加工の痕)を残したままの処理があります。「PM-F0」で成形されたパーツを確認したあと、パーツの外観レベルを向上させたいということになった場合は、費用は上がりますが、金型を手仕上げで磨くという選択が可能です。大部分のツールマークを除去するPM-F1という仕上げ、鏡面を伴った一層滑らかなSPI-A2という仕上げ処理なども選択できます。その他のオプションとして、ビーズブラストによるシボ加工も承っており、肉厚の厚い部分、ウェルドライン周辺を除き、ムラの少ないマット仕上げ等も可能です。なお、深くて細い穴のような形状や見切りのない形状、複雑に区分された仕上げエリアなどは、磨き処理やブラスト処理が困難な場合があり、各仕上げ工程が納期に影響を及ぼすことにご配慮ください。プロトラブズの射出成形では、7つの仕上げオプションを用意していますので、ぜひご確認ください。

成形によるゲート痕
この例のようにゲート痕は通常成形後にパーツからゲートをカットした所にどうしても残ってしまうものです。外観上問題のない場所にゲート痕が来るようにパーツの配置・設計を考慮することで目立たなくすることができます。
7.成形によるゲート痕

ゲート痕は成形後にパーツから、カッターやニッパー等を使用してゲートをカットした所に残り、小さいですが見栄えに影響します。ただ、ゲート痕は射出成形を利用する限りどうしても残ってしまうものです。 一般的な対処法として、目立たなく外観上問題のない場所にゲート痕が来るようにパーツの配置・設計を考慮する必要があります。たとえば、「自由の女神」のプラモデルであれば、ゲート設定は女神の脚の裏にすることが見栄えの観点で好ましいでしょう。

8.ジェッティング、ゆず肌(肌荒れ)、その他射出成形上の問題

射出成形するうえで様々な問題への対策が必要となります。そのうちのいくつかは、冒頭にもある肉厚に関連することで、厚すぎる肉厚は以下のような問題に繋がることがあります。

  • 蛇行したような流動痕が残るジェッティング(ジェットフロー、くねくね模様)が、特に肉厚のあるゲート付近に残されることが特徴で、厚肉パーツに発生する成形不良です。
  • パーツ表面にゆず肌が現れることがありますが、これもキャビティ内の転写不良やガスに起因するもので、不均一な肉厚部分に発生しやすいです。
  • 材料の流動方向に銀白色の条痕が現れるシルバーストリーク(銀条)は、高い湿度や劣化した樹脂を使用したことが原因となる他、射出成形機のスクリュー速度が使用樹脂に対し最適でないことで発生したせん断力が原因となることもあります。
  • ゲート付近で樹脂が曇ったようになってしまう白化現象は、樹脂の充填速度が適切でないことが原因の一つとして挙げられますが、製品形状やゲート位置によっても問題となることがあります。

異なる樹脂を検証したいという場合は同じ金型で複数種類の樹脂を成形するといった対応もします。また成形性を解析した結果はアップロードしていただいた3D CADデータに対して平均3時間、無料、3D図解付きで回答していますので、画面を見ながら当社エンジニアと摺り合わせ確認をしながら満足できる外観のパーツを製作することができます。

経験豊富なエンジニア、最先端のICTを駆使した短納期システムにより、試作・小ロット生産のスピードアップをサポートします。


本件に限らず、ご質問やご不明な点につきましては、弊社カスタマーサービスまでお気軽にお問い合わせください。


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