アルミの代表的な種類と加工方法、注意点について解説

アルミの代表的な種類と加工方法、注意点について解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1. アルミの代表的な種類と特徴

2. アルミの加工方法

3. アルミの切削加工における注意点


アルミは軽量で加工性が高いため広く使われており、配合される原料によって作られる合金の種類は多岐にわたります。それぞれの材料がどのような特徴を持つか、またアルミの加工方法や特に切削加工における注意点について解説します。

アルミの種類や特徴について知りたい方、材料選定の考え方や加工方法について知りたい方は参考にしてください。

 

1.アルミの代表的な種類と特徴

アルミにはさまざまな合金があり、アルミを意味するAの後に4桁の数字を続けて種類を表現しています。

4桁の数字のうち、最初の数字はアルミに配合される原料の種類によって分けられています。1~7までについては、それぞれどのような原料が配合されているのか、またどのような特徴を持つのかについて、以下の表で紹介します。2つ目の数字は、基本合金か、さらに改良された合金かを表しています。ほとんどの場合には基本合金を示す0です。

3,4つ目の数字は2桁で、アルミの純度を表しています。ここで注意が必要なのが、99%以下の小数点2桁を示している点で、例えば35であればアルミの純度は99.35%です。

番手

添加される原料

特徴

1000

なし

何も配合されていない純アルミです。導電性や熱伝導性に優れていますが、やわらかいため加工時に傷やへこみがついてしまう可能性があります。

2000

銅(Cu)

アルミの弱点である強度の向上を目的として銅を配合しています。一方で、耐蝕性は低下します。ジュラルミンなど高い強度の材料が含まれます。

3000

マンガン(Mn)

耐蝕性を低下させずに強度を上げることを目的として、マンガンが配合されています。アルミ缶に使われている材料です。

4000

シリコン(Si)

耐熱性や耐摩耗性を向上させるためにシリコンが配合されています。鍛造ピストンなど、工業用の鍛造品を中心に使われています。

5000

マグネシウム(Mg)

加工性を維持しつつ、耐蝕性や強度を向上させるために、マグネシウムが配合されています。アルミの切削材料としてはメジャーで、さまざまな製品に使用されています。

6000

Si,Mg

5000番台よりもさらに強度や耐蝕性を向上させるために、シリコンとマグネシウムが配合されています。建築用の窓枠などに用いられています。

7000

亜鉛(Zn)、Mg

強度を向上させるために亜鉛とマグネシウムが配合されており、熱処理を加えることでアルミ合金の中でもっとも高い強度が出せます。航空機や自動車、スポーツ用品に使用されます。

 

このようにアルミにはさまざまな種類があるため、用途に応じて適切なものが使い分けられています。

 

 

2.アルミの加工方法

アルミは加工性の高い材料で、さらに合金にすることでさまざまな特性が強化されるため、加工方法も多岐にわたります。

アルミを加工する代表的な方法について、簡単に解説します。

加工方法

説明

曲げ加工

複数のローラーを使用し、曲げる形状を調整する曲げ加工、ベースプレートと上板で固定し折り曲げる板折り曲げ、金型とパンチでプレスするベンダー曲げなどに対応しています。

プレス加工

上述した曲げ加工に加え、せん断加工と絞り加工に分類され、専用のプレス機と金型で材料を変形、せん断する加工法です。金型を用いて品質を標準化できるため、大量生産に向いた加工方法です。

切削加工

材料を切ったり削ったりする加工方法で、旋盤加工と転削加工に分類されます。金型が不要で初期費用を抑えられ、構造が複雑で精度が必要とされる製品にも対応しています。

接合

溶接、接着接合、機械的接合などさまざまな接合を行うことができます。主に用いられているのは溶接による接合です。

 

どの加工方法が適しているかは、採用するアルミ材の種類によっても異なります。

完成品、使用する材料、加工方法、それぞれの特徴を考慮しながら、適切な加工法を選定すると良いでしょう。

 

 

3.アルミの切削加工における注意点

ここでは、アルミを切削加工する際の注意点について解説します。

アルミはやわらかく加工性が高い金属ですが、溶融点が低いため切削時の温度上昇により溶融してしまいます。アルミが溶融し刃物に付着することで新たな刃先が生み出され、その影響で十分な加工精度を実現できなくなります。

これを防ぐには切削時の温度を上昇させないこと、切削時に発生し、溶融するアルミの切粉を排除することが重要です。

切削時の温度を上昇させないためには、クーラントの使用や切削時の加工速度を調整することが重要です。また、切粉の影響を受けないようにするためには、エアブローで切粉をこまめに取り除くこと、切削油を用いて切粉を切削油に浮かせることが効果的です。

これらの点に注意すれば、アルミの切削加工をする際に、複雑な形状でも高精度に加工できるでしょう。

 

 

まとめ

アルミは軽量で加工しやすい金属で、さまざまな原料を配合することで特長を強化し、その特長を活かして広い用途で用いられています。プレス加工、切削加工、接合など幅広い加工法に対応しているため、用途に合わせての選択が可能です。

特に切削加工時には、切粉の影響で加工精度が十分に出ないことや性能劣化の原因となるため、クーラントや切削油の使用などの工夫をしながら加工する必要があります。