モールドベースとは?特徴や構造、材質を紹介

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.モールドベースとは

2.モールドベースの構造

3.モールドベースの材質


樹脂(プラスチック)の射出成形を行うためには金型が必要です。様々な設備で共通の金型を使用するために欠かすことのできないものの一つがモールドベースです。

モールドベースは金型を構成する重要な要素ですが、製品の成形精度などに直接影響を与えるわけではありません。この記事では、モールドベースの概要について紹介し、その構造や材質も合わせて解説します。

 

1.モールドベースとは

 

 

 

2.モールドベースの構造

射出成形で用いられる金型は、固定側取付板、固定側型板、可動側型板、エジェクタプレート、スペーサーブロックなど多数の部品によって構成されています。金型の外周部を構成するこれらの部品をモールドベースとよびます。

市販されている射出成形機には様々なタイプがありますが、異なる射出成形機に対しても金型を取り付けられる方が利便性を高められます。モールドベースは異なる射出成形機に対応できるように、様々なメーカーで規格品が準備されています。

規格品を用いることのメリットは、異なる設備で用いることが可能なだけではありません。金型製作をする際のコスト低減や納期短縮にも繋がります。特別な事情がなければ、モールドベースは規格品を使うことは一般的です。

規格品のモールドベースで対応できない場合には、マシニングセンタやワイヤー放電加工機を用いて加工するモールドベースを特注します。

特注品では、高いプレートの並行度、ピッチ精度を実現できます。また、特注品だからこそ実現できる寸法、ピッチ、多方向へのスライド、材質の変更、特注の組み込み部品に対応が可能です。

モールドベースは主に、2プレート構造と3プレート構造に分類されます。

2プレート構造の金型は、固定側型板、可動側型板の2つのプレートが中心となり、他にもエジェクタプレート、ガイドピン、ガイドプッシュ、リターンピンなどで構成されています。3プレート構造は、2プレート構造に加えて3つ目のプレートであるストリッパープレートが存在します。

2プレート構造か3プレート構造かを選択する際の判断基準として、金型に樹脂(プラスチック)を流し込んでいく際の充填口となるゲートの形状が挙げられます。このゲートは主にサブマリンゲート、サイドゲート、ピンゲートの3種類に分類されます。

サブマリンゲートは別名トンネルゲートともよばれ、金型を開閉するタイミングで成形品とゲート部分を自動で切断することが可能です。ゲートを切断する手間がかからないため、効率よく生産することが可能です。一方で流動性の悪い樹脂(プラスチック)は十分に充填できない可能性があるため、向いていません。

サイドゲートは、成形品の横にゲートがあるタイプです。複数の製品に対して同時に充填することが可能なため、小さな部品など一度に複数の製品を加工したい場合に効果的です。しかし、製品にゲートが残ってしまうため、ゲートを切断する手間がかかります。

ピンゲートは、サイドゲートと同様に複数の製品を成形するのに用いられるゲートで、ゲートが細く小さくなっている点が特徴です。ゲートが小さいため、流動性が悪い材料を用いると成形不良に繋がるため、注意が必要です。

サブマリンゲートとサイドゲートは、2プレート構造、ピンゲートには3プレート構造の金型が採用されます。

 

 

3.モールドベースの材質

モールドベースは長期間にわたって繰り返し使用されるため、高い強度と耐久性が必要です。また、規格品の場合には、価格を抑えるために入手しやすく加工しやすい材料が求められます。そこで、多くの場合には機械構造用炭素鋼が用いられています。

機械構造用炭素鋼は入手しやすく、強度や弾性、靭性に優れています。また、熱伝導率も高いため、加熱溶融された材料を冷却する必要がある射出成形の金型には適した材料といえます。

もし機械構造用炭素鋼では、必要とされる要求に耐えられない場合には、他の材料を検討する必要があります。代表的な要望としては、錆に強くする点や耐久性を高めたいという点が考えられます。

これらの要望を実現したモールドベースを製作するためには、ステンレスやプリハードン鋼などを採用する場合があります。具体的な材料は、モールドベースの特注に対応してくれるメーカーに対して要望を伝え、コストなどの条件と合わせ検討してもらうといいでしょう。

また、モールドベースの中には全体を同じ材料で製造するのではなく、摩耗などの影響が大きい型板や入れ子部分にだけ特殊な材料を使う場合があります。最低限のコストで必要な性能を得られる可能性があるため、選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。

 

 

まとめ

射出成形の金型を構成する重要な部品であるモールドベースについて紹介しました。複数の部品で構成されたモールドベースは、異なる設備で同一の金型を使用するために、必要不可欠な部品です。

多くの場合には機械構造用炭素鋼で製造された規格品が用いられます。しかし、規格品では対応できない場合には特注をする必要があり、目的に応じて高い加工精度や特殊な材料で製造されることもあるため、用途に合ったモールドベースを利用することが重要です。