大量生産に必要不可欠な金型製作の流れを解説

大量生産に必要不可欠な金型製作の流れを解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.金型とは

2.金型製作の流れ

(1)見積もり・打ち合わせ

(2)設計

(3)加工データ作成

(4)金型加工

(5)金型の仕上げ・組み立て

(6)動作チェック


製造業において大量生産を行うためのさまざまな加工方法で、金型が用いられます。金型の精度が製品の精度を左右するため、金型がどのような流れで製造され、どのような点に注意を払っているのか把握することが重要です。

この記事では、実際に金型が製作される流れを解説します。

 

1.金型とは

 

 

2.金型製作の流れ

金型とは、射出成形やプレス加工などの生産に用いられる、金属で作られた型です。金型の精度が、金型を用いて製造する製品の精度を左右するため、一般的に金型を製造する際には高精度な加工技術が必要となります。

金型はその用途によって、プレス用、プラスチック(樹脂)用、鋳造用、ダイカスト用、鍛造用などに分類されます。それぞれ、加工方法が異なるため、金型の形状や製造する際の工夫も異なります。

これらの中で最も製造されているのがプラスチック(樹脂)用金型です。ここからは、プラスチック(樹脂)用の金型を中心に解説します。

ここからは、新しい金型を製作する際の流れについて解説します。これから金型を製作する可能性がある方は参考にしてください。

 

(1)見積もり・打ち合わせ

事前に金型を用いて製造する製品のデータを準備しておきます。それを金型業者と共有し、どのような金型にしていくのか打ち合わせを行います。製品データは2Dの図面が一般的でしたが、近年は3DCADのデータを用いられる機会が増えています。

打ち合わせは、金型の製造の見積もりを作成する際に行います。必要以上に高額になりすぎないように、製品仕様や金型を使用する目的、譲れる部分などを、適切に金型設計者に伝えることが重要です。

うまく伝わらない場合、過剰な品質で高額になってしまう可能性があるため、場合によっては修正のために再度の打ち合わせが必要になります。

 

(2)設計

打ち合わせが終わったら、金型設計者が金型の設計を行います。打ち合わせですり合わせた製品仕様や注意すべきポイントなどを漏らさないように、図面に織り込みます。

ここで、金型を製造する際に加工が難しくなりすぎないように、複雑な加工を行わなくても金型製造ができるように設計を行うことが重要です。コストに大きな影響を与えます。

 

(3)加工データ作成

金型の図面が作成できたら、金型を加工する際の加工データを作成します。加工データとしては、NC加工に用いる加工プログラムに加えて、最終の仕上げを行う際に用いる切削加工や放電加工用の3DモデルをCADで作成します。

ここで作成した加工データによって、金型の精度が大きく変わってきます。また、同じ形状を実現するとしても、できるだけ効率よく加工できるようなプログラムを構築することでコストを削減できます。

 

(4)金型加工

金型の加工データが完成したら、それらを活用して加工を行います。

金型は、前加工、マシニングセンタによる削り出し、精度を高めるための放電加工や磨きといった流れで加工されていきます。それぞれ、どのような作業が行われるのか確認しましょう。

前加工では、材料への穴あけや大まかに材料を削り取る荒取り、材料を強化するための焼き入れや焼き戻しを行います。金型製作では、焼き入れを加工後に行うと精度が確保できなくなってしまうため、切削加工前に行うのが一般的です。

次に、マシニングセンタを用いて、加工プログラム通りに切削加工を行います。ここである程度完成品の形状に近づけることで、高精度な加工である放電加工などにかかる時間を短縮します。切削加工では、マシニングセンタ以外に、フライス盤やボール盤が用いられることもあります。

ある程度完成品の形状に近づいてきたら、深いリブやエッジ部などの切削加工では難しい部分を放電加工で削り出します。最後に、セラミック砥石やダイヤモンドペーストなどを用いて磨き上げることで完成です。

 

(5)金型の仕上げ・組み立て

金型は1つの部品ではないため、加工した金型部品を組み上げて仕上がりを確認します。単品では精度よくできていても、組み上げ段階で微調整が必要になります。

 

(6)動作チェック

最後に、完成した金型で動作チェックを行い、製品が適切に製造できるか確認を行います。動作チェックを通過できないと再調整が必要になるため、最後の関門となっています。動作チェックが無事に完了したら、金型製作は完了です。

 

 

まとめ

金型の基本的な情報と、金型を製作する際の流れについて解説しました。

金型は高い精度が求められます。高い精度とコスト、加工時間のバランスを取るために、切削加工や放電加工、磨きなど複数の工程に分解して製作されています。また、精度とコストを両立するためには、加工前のプログラム構築や3Dデータ準備が重要なポイントです。

金型製作の流れを把握しておけば、金型を製作する際どこに注意すればよいか明確になるため、迷わず取り組めるでしょう。