金型の構造|2プレートと3プレートの違い

金型の構造|2プレートと3プレートの違い

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.金型構造の種類

2.2プレートの金型構造と動作

3.3プレートの金型構造と動作


プラスチック(樹脂)材料を加工する際に用いられる金型は、さまざまな方法で分類できます。その中の1つである構造による分類では、2プレート式と3プレート式の2種類に大別できます。それぞれの金型構造や構成部品、金型を用いて射出成形をする際に金型がどのように動作するかなどについて解説します。自社で射出成形を行う際に、2プレート式と3プレート式のどちらを採用すべきか検討する必要がある場合には、ぜひ参考にしてください。

 

1.金型構造の種類

金型の種類は、金型の材質、射出成形や鋳造などどのような成形加工に用いるかといった用途、入れ子の有無、などさまざまな観点があります。金型の構造という観点で考えると、金型は2プレート式と3プレート式に分類できます。

2プレート式の金型は、射出成形機に固定されている固定側型板と、金型を開閉する場合に稼働する可動側型板の2つのプレートに分類されます。材料となる加熱した樹脂(プラスチック)を流し込むことで、固定側と可動型の隙間に樹脂(プラスチック)が充填され、狙い通りの形状を実現します。

2プレート式の金型を構成する部品としては他に、突き出し板が動くための空間を作るスペーサーブロック、成形品を取り出すために突き上げる突き出し板(エジェクタプレート)、開閉時に位置合わせを行うためのガイドピンなどがあります。

また、ロケートリングやスプールブッシュなども、2プレート式の金型を構成するための重要な要素の1つです。

 

3プレート式金型にも2プレート式金型と同様に、固定側型板と可動側型板が存在します。さらに、これらの型板の間に、ストリッパープレートが存在し、金型が開閉する際には、3つのプレートに分割されて駆動します。

また、ストリッパープレートの追加により、ストリッパーの開閉量をコントロールするためのストップボルトやプラーボルト、ランナーロックピン、パーティングロックなどの部品が2プレート式から追加になります。

3プレート式は、成形した完成品にとって不要な部分であるスプルーやランナーを自動で切り離すことが可能です。これは2プレート式ではできないため、3プレート式の大きなメリットです。また、樹脂(プラスチック)材料の注入を複数個所から行うことができるため、1つの金型で複数の成形品を同時に製造することが可能です。

一方で、3プレート式は2プレート式に比べると金型の構造が複雑になり、プレートの枚数が多いため、金型自体も大きくなりがちです。さらに、型費が高額になりやすい点がデメリットとなります。

2プレート式と3プレート式のどちらを採用するかは、成形する製品の形状や生産数、金型製作に充てられる予算など、さまざまな要素が影響します。どちらにもメリットがあるため、自社の状況に合わせて適切な方を選ぶ必要があります。

 

 

2.2プレートの金型構造の動作

2プレート式の金型は、以下のような流れで動作します。

まず、可動側型板を動かして金型が閉じた状態にしておき、成形を開始します。その状態で、射出成形機から加熱溶融した樹脂(プラスチック)を金型内に射出し、金型を閉じたまま材料が冷却・固化するまで待ちます。

材料が固化したら、可動側型板を動かし金型を開きます。製品は可動側についているため、突き出し板によって突き出し、金型から外します。成形できたものを金型から取り出したら、次の準備のために金型を閉じます。

これが一連の流れで、量産工程ではこの流れを繰り返し行うことで、金型を用いて製品を量産していきます。

製品を金型から取り出す際には、製品の自重で自然に落下させる方法や、手作業でアナログ的に取り出す方法、また取り出し専用の機械やロボットを用いる方法があります。導入コストや表面を傷つけたくないなど製品へ求められる性能によって、適切な取り出し方法が変わります。

 

 

3.3プレートの金型構造の動作

3プレート式は、2プレート式に対してストリッパープレートが加わっているため、一部の動作が2プレート式と異なります。

金型が閉じた状態で溶融した樹脂(プラスチック)を金型に充填する部分は、2プレート式と同様です。その後、可動側型板とストリッパープレートが同時に開いていきます。そして、可動側が開ききる前に、ストリッパープレートが停止することで、ランナーとスプルー部分を自動的に除去できます。

成形品を突き出し板によって突き出し、金型から外し、すべてのプレートを閉じた状態に移動させる部分は2プレート式と同様で、そこまでで1サイクルとなります。その後は最初に戻り、閉じた金型に材料を充填します。

2段階で駆動することで2プレート式よりも時間がかかりますが、2プレート式では困難なスプルーとランナーの除去を自動で行えるため、その点は大きなメリットとなるでしょう。

 

 

まとめ

金型はその構造から、2プレート式と3プレート式に分類できます。2プレート式は簡潔な構造であり低コストで導入できます。一方で3プレート式は複雑でコストは高くなりやすいものの、複数個同時成形や成形品の不要部分を自動除去できるといったメリットがあります。

2プレート式、3プレート式の双方にメリット・デメリットがあるため、自社で生産する成形品の形状や導入する設備にかけられるコストなど、十分な検討を行い導入する設備を決めましょう。