合成樹脂(プラスチック)の種類や用途、成形法について解説

合成樹脂(プラスチック)の種類や用途、成形法について解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.合成樹脂とは

2.合成樹脂の種類

3.合成樹脂の用途

4.合成樹脂の成形


合成樹脂(プラスチック)は従来からさまざまな製品に使われていますが、近年は製品の軽量化ニーズの高まりや材料自体の高性能化により、その用途は広がり続けています。この記事では、合成樹脂(プラスチック)の特徴やどのような種類があるのかについて紹介します。また、合成樹脂(プラスチック)がどのような用途で使われているかに加えて、成形法についても解説します。

 

1.合成樹脂とは

合成樹脂(プラスチック)とは、人為的に製造された高分子化合物からなる物質の一種とされています。一般的には、石油から作られたポリマーに添加物を加えたものを合成樹脂(プラスチック)といい、主に原油から得られるナフサを原料としています。

合成樹脂(プラスチック)のほとんどは石油由来ですが、近年は環境への配慮などから、他の原料を用いて製造される合成樹脂(プラスチック)も増えています。特に、サトウキビやトウモロコシなどを原料としたバイオマスプラスチックは、石油資源が枯渇してしまわないようにするための対策として、注目を集めています。

 

合成樹脂(プラスチック)は、一般的に以下のような特徴を持ちます。

  • 電気を通さない絶縁体である
  • 水に強く腐食しにくい
  • 熱に比較的弱い

 

多くの合成樹脂(プラスチック)がこのような特性を持っていますが、さまざまな研究によってこれらの特性を持たない合成樹脂(プラスチック)も開発されています。具体的には、導電性を持った導電性ポリマーや微生物による分解が可能な生分解性プラスチック、また大量の水を吸収可能な高吸収性高分子などが挙げられます。

このように、合成樹脂(プラスチック)とひとまとめにされていても実際にはさまざまな種類に分類され、それぞれが異なる特徴を持っています。

 

 

2.合成樹脂の種類

合成樹脂(プラスチック)は、熱に対する性質上の分類として、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分類されます。熱可塑性樹脂は、その名が示す通り加熱することで溶融する樹脂(プラスチック)のことで、冷却することで硬化します。一方で、熱硬化性樹脂は加熱することで硬化し、元の形状には戻らない樹脂(プラスチック)です。

また、熱可塑性樹脂は用途上の分類として、汎用樹脂、エンプラ、スーパーエンプラに分類されます。エンプラとは、エンジニアリングプラスチックの略です。エンプラは、工業的な用途に用いることを想定して開発された樹脂(プラスチック)で、特に強度に優れており、耐熱性など特定の機能が強化されています。

また、エンプラの中でも150℃以上の環境下で長時間使用できるほど耐熱性が高く、さまざまな溶剤に対して高い耐性を持つものは、スーパーエンプラとよばれます。このように、材料としての樹脂(プラスチック)は、特徴を持ったものが次々に開発されており、材料に対して厳しい要求が課される製品への展開も活発になっています。

 

 

3.合成樹脂の用途

ここまで紹介したように、合成樹脂(プラスチック)はその特性が多岐にわたるため、用途もそれぞれの特性に合わせて広がっています。

具体的な合成樹脂(プラスチック)の用途として、従来はガラスや木材が用いられていたものの置き換えが一般的です。合成樹脂(プラスチック)が軽量で腐りにくく、絶縁性が高いという特徴を持つ点や安価に大量生産が可能なことから、置き換え材料として用いられています。

また、日常生活で私たちが多く使用するものとして、フィルムやシート、容器類に加えて、家電などのボディ部分などが挙げられます。このように、合成樹脂(プラスチック)は幅広いシーンで使用されていることがわかります。

また、工業的に使用することを目的として開発されたエンプラは、家電製品などの内部にある歯車や軸受けなどの機構部品に多く用いられています。従来、これらの部品には材料として金属が使用されていましたが、エンプラは耐摩耗性に優れ、軽量で錆びず、複雑な形状も精度よく加工することが可能なため、置き換えが進んでいます。

近年は、高い精度が要求される医療現場用の製品や厳しい環境で使用される可能性の高い自動車部品などでも、金属をスーパーエンプラなどの合成樹脂(プラスチック)に置き換える傾向が加速しています。

 

4.合成樹脂の成形

合成樹脂(プラスチック)の基本的な原理は、合成樹脂(プラスチック)を加熱し溶かしたものを金型などを使って所定の形に冷やして固め、それを取り出すというものです。もっとも多く用いられている方法として、射出成形が挙げられます。

成形方法にもさまざまな種類がありますが、主に熱可塑性樹脂か熱硬化性樹脂かによって、適用可能な成形法が異なります。

熱可塑性樹脂の主な成形法としては、射出成形やブロー成形、押し出し成形、インフレーション成形などがあります。また、熱硬化性樹脂の主な成形方法としては、熱可塑性樹脂と同様に射出成形、それ以外には真空成形、プレス成形などです。

これ以外に、合成樹脂(プラスチック)の中には紫外線を照射することで硬化する樹脂もあります。3Dプリンターなどでは狙いの形状になるように、紫外線を照射することで成形していくものもあります。

このように、合成樹脂(プラスチック)を成形する際には使用する材料の特徴に合わせた成形法を選択する必要があるため、材料選定をする際には成形法まで考慮することが重要です。

 

 

まとめ

合成樹脂(プラスチック)は主に石油から作られますが、近年は環境保護の観点からバイオマスプラスチックなども開発されています。合成樹脂(プラスチック)はさまざまな特性を持っており、その特性に応じて用途が大きく異なります。

また、合成樹脂(プラスチック)の特性に合わせた成形法を選択する必要があるため、合成樹脂(プラスチック)を採用する際には、材料自体が持つ特徴や機能だけでなく、その材料を成形する際の成形法にも十分注意することが重要です。