金型製作の国家資格である金型製作技能士について解説

金型製作の国家資格である金型製作技能士について解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.金型製作技能士とは

2.金型製作技能士試験の概要

3.資格取得後の活かし方


モノづくりをする際には、さまざまなシーンで金型が使用されています。金型製作に携わりたい場合や金型製作に関するスキルを向上していきたい場合に活かせる資格の一つが、金型製作技能士です。この記事では、国家資格の技能検定制度の一種である金型製作技能士について、その特徴や試験の概要、資格取得後の活かし方について解説します。

 

1.金型製作技能士とは

金型製作技能士は製造業で広く使われている金型製作に関する国家資格で、機械加工を中心にさまざまな資格が設定されている技能検定制度の一種です。都道府県職業能力開発協会が試験を実施しており、試験に合格することで金型製作に関する技能と知識を有していることを証明できます。

製造業において、量産部品など大量生産をする際には金型を使った製造方法を選択するのが一般的です。日本でも金属や樹脂(プラスチック)を材料とした製品を製造する際には、プレス加工用の金型や射出成形用の金型が用いられています。製造業で広く用いられている金型を製造する技術に関しては、欠かすことのできない技術です。

3DCADなどを用いて設計図面を製作し、それに基づいて機械を操作して材料となる金属を加工することで金型を製作します。金型を製作するためには、複数の工作機械を扱う技能に加えて、図面製作や金型自体の材料、また金型を用いて作る部品などに関する専門的な知識が必要とされています。

金型製作技能士は、「プレス金型製作作業」と「プラスチック成形用金型製作作業」に分類されており、それぞれ特級、1級、2級に分かれています。3級に関して言及されているサイトもありますが、金型製作技能士に3級の分類はありません。

また、金型製作技能士は業務に役立つだけではなく、職業訓練指導になるための実技試験が免除されます。国が設置する施設で技術指導を行うことができる資格のため、就職先の一つとして検討することが可能です。

 

2.金型製作技能士試験の概要

金型製作技能士は特級、1級、2級に分類されていますが、それぞれどのようなレベルなのか確認しましょう。もっとも難易度の高い特級は、管理者や監督者が有すべき技能を証明できるレベルです。また、1級は上級の技能者、2級は中級の技能者が有すべき技能を証明できます。

はじめに、受験資格について確認します。金型製作技能士を受験するためには、職業訓練や実務経験が必要です。

具体的な受験資格は学歴や職業訓練の有無などによっても異なりますが、2級の場合には2年以上の実務経験が必要です。1級の受験資格は、7年以上の実務経験か2級合格後に2年以上の実務経験が必要となります。

特級の場合には、必ず1級に合格している必要があり、さらに5年以上の実務経験が必要です。このように、金型製作技能士は仕事を初めてすぐに取得できるものではありません。この資格を持っているだけで、十分な経験を積んでいると判断できます。

次に試験内容を確認します。特級はプレス加工用とプラスチック成形用で共通であり、学科試験と実技試験に分かれています。いずれでも工程管理や作業管理、品質管理に加えて、作業指導や安全衛生管理などが含まれています。

1級および2級は、学科試験として金型一般や機械要素、材料力学、電気などの基礎知識が中心です。さらに、プレス加工用とプラスチック成形用で内容が分かれた科目が設定されています。また、実技試験も科目ごとに分かれており、1級と2級では試験における作業内容が異なります。

最後に日程などについてですが、基本的には前期と後期の2回開催されます。ただし、年によって開催されるかどうかが変わる場合がありますので、受験を検討する場合には必ず、事前に確認する必要があります。

2021年の場合には、1月末に試験が行われ、3月に合格発表が行われました。受験料は都道府県によって変わることがありますが、学科試験が3,100円、実技試験が18,200円となっています。

問い合わせ先は各都道府県の職業能力開発協会になっていますので、受験を検討する場合には、ホームページなどを参照しましょう。

 

3.資格取得後の活かし方

金型製作技能士の資格を取ると、金型製作に関する技能と知識を有していることを証明できるため、試作メーカーや金型を自社で開発している製造業の企業へ就職しやすくなります。金型製作は製造業の多くの業界で必要となっており、需要のあるスキルです。

3Dプリンターなど新しい製造技術が普及し始めていますが、量産開発では金型を用いた加工法の方が優位性があるため、今後も金型製作に関する技術は重宝されるでしょう。また、職業訓練に関する仕事を得る場合にも、金型製作技能士が役に立ちます。

 

まとめ

金型は日本の製造業で幅広く使用されている加工技術で、特に量産開発では今後も使われ続けていくでしょう。金型に関する高いスキルを証明する金型製作技能士は、きちんと評価され、重宝される資格といえます。

2級、1級、特級と受験をするだけでも長い実務経験が必要であり、試験範囲も幅広い項目が設定されているため、簡単に取得できる資格ではありません。時間をかけて取る必要がありますが、その価値は十分にある資格です。