樹脂(プラスチック)加工とは?素材や加工方法の種類について解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.樹脂(プラスチック)とは|樹脂(プラスチック)の定義と、種類を解説

2.樹脂(プラスチック)加工製品の使用例

3.樹脂(プラスチック)加工の種類

(1)射出成形

(2)ブロー成形

(3)押出成形

(4)圧縮成形

(5)その他


樹脂(プラスチック)は、日常生活で使用するものから工業製品まで、さまざまな製品に適用されており、その加工法も使用する樹脂(プラスチック)の特性や製品の用途に応じて多岐に渡ります。この記事では、樹脂(プラスチック)の特徴や樹脂(プラスチック)製品の使用例、樹脂(プラスチック)加工の種類について解説します。

 

1.樹脂(プラスチック)とは|樹脂(プラスチック)の定義と、種類を解説

樹脂(プラスチック)とは本来、その名が示す通り植物から取れる樹液をさします。これらは天然樹脂とよばれ、天然樹脂以外にも人工的に合成することで作られる合成樹脂があります。

天然樹脂の代表例としては、松ヤニや漆、天然ゴム、琥珀などがあり、これらは樹液が空気に触れることで揮発成分が失われ、固体になったものです。天然樹脂は水に溶けにくく、有機溶剤に溶けやすいという特徴があります。

一方で、合成樹脂は石油を原料に製造された高分子物質を指し、軽量で絶縁性があり、耐薬品性に優れる点などが大きな特徴です。合成樹脂は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分類されます。

熱可塑性樹脂は、加熱することで溶融し、冷却すると固化する性質を持っています。加熱、冷却により成形でき量産性が高いという特徴を活かし、さまざまな製品の加工に用いられています。一方で、耐熱性や機械的特性が低い点には注意が必要です。熱可塑性樹脂は、さらにその特徴から、汎用樹脂と優れた性質を持つエンプラに分類されます。

熱硬化性樹脂は、加熱することで硬化する性質を持っているため、1度しか加工できず、熱可塑性樹脂に比べると成形性、リサイクル性は劣っています。この特徴から、製品に使用される合成樹脂のほとんどが熱可塑性樹脂であるといえます。

 

 

2.樹脂(プラスチック)加工製品の使用例

樹脂(プラスチック)加工製品には主に熱可塑性樹脂が用いられていますが、その特徴から幅広い用途に採用されています。

日常生活で用いられている汎用樹脂の用途としては、日用雑貨や容器、調理器具、家電用品、文具、おもちゃ、水槽、看板などが挙げられます。また、エンプラやスーパーエンプラはその中でも、自動車部品やスポーツ用品、電動工具、歯車、航空機部品、工作機械など強度や耐久性が必要なものに多く採用されています。

熱硬化性樹脂の使用例としては、灰皿や建材部品、塗料など、リサイクルの必要がなかったり、耐熱性が必要だったりする製品に採用されています。熱可塑性樹脂に比べると、適用の範囲が狭いことがわかります。

このように、樹脂(プラスチック)は、それぞれの材料が持つ特性に応じて、さまざまな製品に用いられています。

 

 

3.樹脂(プラスチック)加工の種類

樹脂(プラスチック)を加工する際には、材料の特徴に合わせた加工法の選択が重要です。ここでは、いくつか代表的な加工法を紹介します。

(1)射出成形

射出成形は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の両方に対応しています。基本的な加工の流れとしては、樹脂(プラスチック)を加熱し溶融させた状態で、金型に射出します。それを冷却することで成形していく加工法です。

量産性に優れているためさまざまな製品の加工に採用されており、樹脂(プラスチック)加工法の中でも、もっとも多く使われている加工法です。

 

(2)ブロー成形

ブロー成形は、押出、多層押出、射出、延伸などに分類でき、ペットボトルなどの中空製品を大量生産する際に適した加工法です。筒状のパリソンとよばれる容器を作り、それを金型に挿入して膨らませることで成形します。

ペットボトル以外にも、複雑なパイプや楽器ケース、ガソリンタンク、サランラップやポリ袋などもブロー成形で加工されています。

(3)押出成形

押出成形は他の成形法のように、金型の中で樹脂(プラスチック)を冷却し固化することはありません。熱した樹脂(プラスチック)を押し出し、ダイとよばれる金型を通過させることで、一定の断面形状に連続的に成形する方法です。

光ファイバーなどの線材や、自動車、電機製品、包装用フィルムなどの加工に用いられています。

 

(4)圧縮成形

圧縮成形は主に熱硬化性樹脂に用いられる成形法です。流動性がある状態の熱硬化性樹脂を金型に入れ、圧力を加えることで金型内に充填します。その後、金型を加熱することで熱硬化性樹脂を硬化させ、成形します。

 

(5)その他

樹脂(プラスチック)の加工法には他にもさまざまなものがありますが、その中でも切削加工は確認しておくべき加工法の一つです。金属部品の加工に使用するイメージがありますが、少量特殊生産をする際や他の成形法で加工した製品の後処理を行う場合があります。

また、近年使用されるシーンが増えている3Dプリンターも樹脂(プラスチック)の加工法の一つで、今後も広がっていくと考えられます。

 

 

まとめ

樹脂(プラスチック)は、天然樹脂と合成樹脂に分けられ、合成樹脂はさらに熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分類されます。これらの特徴と製品の用途によって、加工方法が異なるので、まずは目的に応じた材料の選択が重要です。その上で適切な加工方法を選択しましょう。