プラスチック(樹脂)加工の手順や材料選定のポイント、各加工方法のメリット・デメリット

プラスチック(樹脂)加工の手順や材料選定のポイント、各加工方法のメリット・デメリット

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1.プラスチック(樹脂)加工の基本の流れ

2.プラスチック(樹脂)加工の際の要求性能とは

3.プラスチック(樹脂)加工の材料選定時に押さえるポイント

4.プラスチック(樹脂)加工方法の種類と選び方

5.金型製作の際のポイント


プラスチック(樹脂)を加工する際には、完成品の用途や使われる樹脂材料などによって適切な方法が選択されています。用途や材料に合わせた加工を行わないと、完成品の性能が低下してしまったり、加工効率の悪化に繋がったりするため注意が必要です。

この記事では加工手順や材料選定のポイント、各加工法のメリット・デメリットを紹介します。

 

1.プラスチック(樹脂)加工の基本の流れ

プラスチック(樹脂)加工を行う際には、基本的に次のような流れで加工します。実際には、作りたい部品や使用する材料、加工法によって流れが異なる場合もあります。

 

①製品に対する要求性能の検討

②要求性能を満たせる材料の選定

③材料と製品形状に合わせた加工方法の選定

④金型の製作

⑤加工時の条件検討

⑥加工

⑦二次加工(必要な場合)

⑧完成品の検査

 

①~⑧のような流れで加工を進めていきます。

ここからは、各工程の詳細と検討する際に確認しておきたい点を紹介します。

 

 

2.プラスチック(樹脂)加工の際の要求性能とは

プラスチック(樹脂)加工の際には、最終的に作りたい製品に応じて要求性能を設定する必要があります。要求性能の種類やその内容について説明します。

 

  • 強度:製品の使われ方から、どのような力がどの程度の回数かかるのか、その力は一気にかかるのか徐々にかかるのかなどを確認し、それに耐えられる必要があります。
  • 寸法:プラスチック(樹脂)加工をする場合、材料が温度や湿度などの影響で寸法変化を起こします。特に部品として使用する場合などは、寸法精度が悪いと組付けができません。
  • 外観:加工した製品の色や光沢、シワ模様が発生していないかなどがポイントです。
  • 機能性:プラスチック(樹脂)部品にはさまざまな機能が求められ、電気的性質や光学的特性、耐熱性や耐薬品性などの要求が出される場合があります。
  • その他:上記以外にも環境に配慮したリサイクル性や製品のコストに繋がる経済性に関しても要求が必要です。

 

これらは代表的なものであり、完成品となるプラスチック(樹脂)製品の種類や使われ方によってさまざまな要求が必要です。また、すべての製品にすべての項目が要求されるわけではありませんので、どの要求が必要なのか入念に検討しましょう。

 

 

3.プラスチック(樹脂)加工の材料選定時に押さえるポイント

要求性能が明確になったら、それを満たせる材料を選定します。材料は、プラスチック(樹脂)材料の特性が整理されているカタログやデータベースなどを使って絞り込むのが効率的です。これらは材料の物性を中心にまとめられているため、数値で明確になりやすい物性データに注目してしまいがちです。しかし、要求性能に外観や経済性などが含まれていることが多いため、加工のしやすさや入手難易度なども考慮する必要があります。

材料の候補をいくつかに絞り込んだら、その後は絞り込んだ材料で試作品を製作し、実際に使われる状況を想定した試験を行います。その結果と要求性能を比較し、もっとも要求に近いものを選定すれば、材料選定の完了です。

もし、要求性能を満たせる材料が見つからなかった場合には、要求性能の緩和や新たな材料開発が必要になる場合もあるでしょう。

 

 

4.プラスチック(樹脂)加工方法の種類と選び方

プラスチック(樹脂)の加工方法は、主に材料が熱可塑性か熱硬化性かどうかと、作りたい部品の形状、数量によって異なります。

熱可塑性樹脂の場合には、射出成形や押出成形が使われる場合が多いです。

射出成形は製品を量産する場合に代表的な手法で、成形速度が早く、対応している樹脂の種類が多い点が特徴です。一方で成形機が比較的高価であり、多品種少量生産ではコストが高くなってしまうため、向いていません。

押出成形は、フィルム、パイプ、丸棒押出などの種類があり、成形機が比較的安価な点がメリットです。デメリットとしては、少量生産には不向きで実現できる製品形状にも制限があるという点が挙げられます。

熱硬化性樹脂の加工法としては、積層成形や熱可塑性樹脂と同様に射出成形などが用いられます。

積層成形は大型製品や厚肉製品の加工が可能で、材料のロスが少ない点が特徴です。一方で、バリが厚くなってしまうために二次加工が大変なことや、厚みの寸法精度を出しにくい点はデメリットといえます。

このように、加工法の中でもその特徴はさまざまです。完成品の要求性能を実現できる加工法を検討しましょう。

 

 

5.金型製作の際のポイント

最後に、各成形法で用いる金型製作のポイントを紹介します。金型の製作には豊富な経験やノウハウが必要となり、専門メーカーでなければ対応することは困難です。

金型を設計する際には、金型の材料、製品に使用する樹脂との関係、金型構造といった検討を行う必要があります。

これらを検討する場合には、成形条件や成形時の樹脂の流れ方、製品の取り出し方なども踏まえて決める必要があり、豊富なノウハウを持っていないと単独で進めることは困難だといえます。生産性への影響が大きい金型は、専門メーカーに相談しながらコストが高くなりすぎないように製作を進めましょう。

 

 

まとめ

プラスチック(樹脂)加工をする際には、要求性能を決め、それを実現するために材料や加工法、金型などを決めていく必要があります。

いずれも専門的な知識が必要で、複雑な条件を考慮する必要があるため、専門家のサポートを受けながら取り組むといいでしょう。