切削加工にかかるコストは?代表的な材料の費用例と加工費に影響する要素を解説

切削加工にかかるコストは?代表的な材料の費用例と加工費に影響する要素を解説

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※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1. 切削加工のコストを構成する要素

(1)切削加工の材料費

(2)切削加工の加工費

2. 切削部品の材料費の例

3. 切削時の加工費

(1)加工手順の複雑さ

(2)加工する材料の固さ

(3)完成品に要求される精度


製品の材料や加工法を決める場合には、どの程度のコストがかかるのかを比較する必要があります。またコストを抑えるためには、どのような要素がコストに影響を与えるのかを把握したうえで、仕様決定や設計を行う必要があります。

切削加工部品のコストを見積もる場合には、どのような要素を考慮すればいいのでしょうか?具体的な項目について解説します。

 

1.切削加工のコストを構成する要素

求められる機能を満たす製品であれば、できるだけ低コストで製造できる方が望ましいです。切削加工では、どのような材料をどのように加工するのかによって、製造コストが大きく変わってきます。材料費と加工費について、それぞれどのような要素でコストが変わってくるのか解説します。

 

(1)加工部品の材料費

切削加工のコストに影響を与える要素の一つが材料費です。材料費は、どのような材料をどの程度の重さ使用するかによって異なります。

材料費を決める際の重量は、加工後の完成品重量ではなく加工前の材料全体の重量であるという点をまず頭に入れておきましょう。同じ機能を有する部品であった場合、できるだけ加工前の重量が小さくなるような設計ができれば、材料費を抑えることができます。

 

(2)加工部品の加工費

加工部品のコストに影響を与える、もう一つの大きな要素は加工費です。

加工費は材料をどのような手順で削るか、削る際の難易度が高いかどうかによって影響を受けます。加工の工程が少なく難易度が低い場合には、比較的短時間で加工を完了することができ、加工費を抑えられます。

また、削りだした状態でそのまま部品として使用できない場合には、熱処理や表面処理などが必要になる場合があります。これらは特殊加工とよばれ、特殊加工費としてコストを産出する際に考慮する必要がある要素です。

 

2.切削部品の材料費の例

ここでは、実際に切削部品の製造に用いられる材料のひとつである金属材料について、必要な費用を比較します。

材料コストが比較的高いのはチタンやニッケルです。チタンは軽量なのに強度が高く、ニッケルは高い耐熱性を持ちます。材料費は高めなので、これらの比較的高価な材料を使用するのは、他の材料では実現できない場合に限定するといいでしょう。

切削加工部品の材料を選ぶ場合には、必要とされる機能を明確にすることが重要です。機能を満たす材料の中で、なるべく材料費がかからないようにコストを調整しましょう。

 

3.切削時の加工費

切削加工の加工費が高くなってしまう要素として、加工の手順(完成品の形状)や材料の固さ、要求される加工精度などが挙げられます。

 

(1)加工手順の複雑さ

複雑な部品を作る場合、加工手順が多くなり加工の難易度が高くなります。自動加工の場合、設備に指示を出すための加工プログラムを構築する必要があり、加工に必要な時間も長くなるため加工費は増加します。

同じ機能を実現できるのであれば、加工前の材料からできるだけ少ない加工手順で、完成させられる形状となるように設計するといいでしょう。

 

(2)加工する材料の固さ

材料が固ければ固いほど加工に時間がかかるため、コストが増加します。材料の固さがコストに与える影響は加工時間だけではありません。固い材料を加工することで、切削工具の摩耗が激しくなります。工具を交換する頻度が高くなれば結果的に加工費も上がるでしょう。

加工コストを下げるためには、必要以上に固く加工しにくい材料は避けるべきです。

また、切削加工では樹脂など金属以外の材料に対しても用いられますが、削りやすかったとしても脆く割れやすい材料の場合には加工するのが難しくなるため、加工費が高くなる可能性があります。

 

(3)完成品に要求される精度

完成品に要求される精度が高く、その精度を実現するために設備の調整が必要な場合、加工に時間を要することも考えられます。一つの製品を完成させるために必要な時間が長くなるため、加工費が増加します。

不要な精度を要求しないようにすることで加工費を抑えられる可能性がありますので、どの部分にどの程度の精度が必要かしっかり見極めましょう。

 

まとめ

切削加工のコストを構成する要素は、大きく分けて材料費と加工費に分類できます。

完成品に要求される機能や精度を実現できることが大前提ですが、シンプルな形状で加工手順を少なくし、なるべく固くない材料を使用するのが、製造コストを抑えるポイントです。

切削加工の部品を設計する際には、コストに影響を与える要素を把握していることが重要です。これを把握していれば、必要な機能を満たす製品を安価に設計、製造できる可能性が高くなります。切削加工部品の設計をする機会のある方は、今回ご紹介したような切削加工のコストに影響を与える要素を覚えておくといいでしょう。