切削加工とは? その特徴やメリット・デメリットについて解説!

切削加工とは? その特徴やメリット・デメリットについて解説!

ホーム > 技術情報一覧 > 月刊Design Tips > 切削加工とは? その特徴やメリット・デメリットについて解説!

※本シリーズは設計者の皆さまの学習にお役立ていただくために、一般的な製造手法のノウハウについてご紹介します。記事内でご紹介する内容はプロトラブズにて未展開のものも含まれます。

 


≪目次≫

1. 切削加工の定義と特徴

(1)切削加工の定義

(2)切削加工の特徴

2. 切削加工のメリット

3. 切削加工のデメリット


切削加工とは、金属やプラスチック、樹脂などを使った部品の製造に広く用いられている加工法です。旋盤やマシニングセンタ、ボール盤による加工が代表的なものです。今回はそれらに共通する特徴やメリット、デメリットについて解説します。

 

1.切削加工の定義と特徴

 

1)切削加工の定義

切削加工の定義は比較的あいまいです。JISにおいても切削加工の厳密な定義は定められていません。しかし多くの場合、刃物状の工具を使って工作物の不要部分を切りくずとして除去することで、欲しい形状を作る加工法を指します。旋盤やフライス盤、マシニングセンタ、ボール盤などによる加工がその代表で、加工法としては最も一般的なものです。機械加工や除去加工の一種でもあります。

 

2)切削加工の特徴

物の形状を作る方法は、切削加工以外にも鋳造や鍛造、プラスチックであれば射出成形など様々です。切削加工はこれらの中でも比較的高い精度を得ることができます。また金型などの準備がいらないため、多品種少量生産にも対応できる特徴を持っています。機械加工といった場合は、切削加工に加えて研削加工も指します。こちらは刃物ではなく、砥石によって不要部分を除去する加工法です。切削加工よりもさらに高い精度が得られますが、一回に削りとる量が少ないため、同じ加工を行う場合、時間がかなりかかります。このため、切削加工で全体を作り、その中でも高い精度が求められる箇所にだけ研削加工を追加で行う、という手順が一般的です。

加工のできる材料の代表は鋼やアルミニウム合金、黄銅、ステンレスなどの金属です。またプラスチックもよく加工に使われる材料で、ポリアセタール(POM)やポリカーボネート(PC)、ABS、アクリルなどがその代表です。射出成形では難しい形状や高い精度、小ロットに対応できることから、試作品や加工治具などに使われます。

 

2.切削加工のメリット

 

(1)基本的にどんな材料も加工できる

切削工具の材質には低価格な高速度鋼(ハイス鋼)からダイヤモンドまで、幅広く用意されています。このため、向き不向きはあっても、基本的にはどんな材料も加工が可能です。

 

(2)精度や表面粗さが自在に調整できる

要求に応じて、精度や表面粗さの調整が比較的自由にできることは大きな特徴です。このため、特定の必要な箇所は精度を高め、そうではない箇所は荒く削るといった、メリハリのある加工が可能です。

 

(3)初期投資が少なく、製作個数の制限が少ない

鋳造や鍛造、射出成形と違い金型が不要なため、初期投資が少ない場合が多いです。また製作個数が1個でも大量でも、その費用はおおよそ個数に比例します。

 

(4)工作物を加熱する必要がない

鋳造や鍛造などのように、製作の前に材料を加熱する必要がある加工法は、それだけでも大きな設備やエネルギーが必要です。切削加工の場合、こうした投資は必要ありません。

 

(5)除去加工の中で最も安価に加工ができる

除去加工には切削加工のほかに、研削加工や放電加工などがあります。しかし、同じ体積を除去するのに研削加工の場合はおおよそ10倍、放電加工の場合は100倍のエネルギーが必要とも言われます。このため、切削加工は除去加工の中では最も経済的で、精度とのバランスが取れた加工法と言えます。

 

 

3.切削加工のデメリット

 

(1)切りくずが発生するため、歩留まりが悪い

切削加工の性質上、切りくずが出ることは避けられません。これは不必要なものですので、歩留まり悪化に直結します。また切りくずは元の体積に対してかなりかさばることが多く、その処理は手間です。さらに粘りが強い材料などでは、切削中に切りくずが連続して発生し、工具にまとわり付いて加工が止まってしまうといったトラブルが起きることがあります。歩留まりを上げるためには、例えば鋳造や鍛造などでおおよその形を作っておき、必要な部分にのみ切削加工を施すといった方法もあります。

 

(2)製品によっては大量生産に向かない

複雑形状ながら精度や強度の要求が高くない大量生産品の場合、ダイキャストや射出成形などのほうが切削加工よりもコスト、生産性で有利なことがあります。こちらも歩留まり同様、切削加工と他の方法のいい点を両方取り入れながら、工程を作ることが大切です。

 

(3)形状によっては作れないものがある

切削加工は工具が物理的に入らなければ加工ができません。また工具の剛性などにより加工できる限界もあります。このため、深さがある内面の加工や細くて長い穴あけなどはできない場合があります。

 

(4)材料によってはきれいに仕上がらない

切削加工はミクロで見ると、工具の刃先が材料をめくり上げ分離させることで加工が進みます。このため、極端にもろかったり軟らかい材料の場合、めくり上げる過程でむしれてしまい、表面が荒れてしまいます。切削条件という、加工の仕方を調整することで改善はできますが、限界はあります。また刃先には強い摩擦や変形が発生するため、局所的に熱が発生します。耐熱性の低いプラスチックなどは、この熱によって溶けてしまい、仕上がりが悪くなったり、刃先にまとわり付いてしまうことがあります。

 

まとめ

切削加工の特徴やメリット、デメリットについて見てきました。これらをよく理解しながら、それぞれの部品にあった最適な加工法を選択しましょう。