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デジタルマニュファクチャリングの活用を最大限に!サプライヤーを選定する際の6つの視点

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※本記事は米プロトラブズにて編集・作成されたものです。文中の一部サービスには日本では未展開のものも含まれています。

 

過去10年間において、一部の先進的なメーカーは、従来に比べてより迅速かつ効率的で、信頼性および汎用性に優れる、デジタル化されたサプライチェーンへと大きな進化を遂げてきました。これは、テクノロジーを重視するメーカー/製造会社とのパートナー提携を求める、同じような考え方を持つ企業や調達部門にとって、素晴らしいニュースです。

では、適切なデジタル マニュファクチャリング企業をどのように見分ければ良いのでしょうか?コストや品質面、そして設備や能力にいたるまで、サプライヤーを評価するための6つの視点を紹介します。

アルミ金型は、鉄製金型に比べてコスト効率の高い、小~中ロット生産を実現します。
アルミ金型は、鉄製金型に比べてコスト効率の高い、小~中ロット生産を実現します。
1. コスト

まずは、購買部門に課せられた任務で最も重要なポイントである総合的な製造コストの削減について説明します。たとえば、パーツの品質を損なうことなく、射出成形サービスでのパーツ単価を下げることは確かに重要ですが、これを最も効率的に達成するにはどうすれば良いでしょうか?生産量を増やしたり鉄製金型を導入することで、パーツ単価のコスト削減を図ることは可能です。しかし、金型に対する巨額でリスクの高い投資は、想定外の市場変動や反復設計により生じる製品への変更や改良などがあった場合、プロジェクトの頓挫を招く危険性があります。

他のオプションも考えられます。たとえば、射出成形パーツの試作では試作用金型を使用し、1万個前後の小~中ロット生産では、小ロット用または先行量産用の金型を使用するなど、さまざまな製造レベルに対応するサプライヤーを探します。アルミ製の金型のコストは、非常に費用対効果が高く、TOCを考慮した場合、パーツ単価の整合性は維持されます。これだけではありません。小ロット生産用金型に対する最低発注数量は存在せず、過剰な在庫に必要となる管理費も発生しません。

 

2. 納期

高速で安定した生産スピードは、各生産フェーズ(開発、製品リリース、成長、減退期)において、迅速な対応を可能とするために重要な要素です。確かに、3Dプリンターは高速です。既に社内の所属部署には、数台が導入されているかもしれません。高い精度かつ再現性で小ロット生産に対応する商用グレードの3Dプリンターとなれば、デジタル マニュファクチャリングと同程度のスピードでパーツを納品できます。

商用グレードの3Dプリンティングは、過去5年間で製造業において、めざましい進歩を成し遂げたものの、これは特に大きなニュースというわけではありません。特筆すべきは「短納期生産」というコンセプトは、3Dプリンティングに限定されるものではないという点です。同様の短納期で、小ロット生産部品の安定供給を実現するために、切削加工、板金加工、成形など、従来のあらゆる製造方法がデジタル化されているのです。さまざまな製造方法に対応する、真の「オンデマンド」製造を確保するため、デジタル マニュファクチャリングに対し、特定テクノロジーに非依存型のアプローチを採用するメーカーとのパートナーシップが必須です。

 

3. 品質管理システム

製造業の特定の領域では、サプライヤーの品質管理システムより、デジタル化の概念がより重要な意味を持ちます。自動化されたソフトウェアとハードウェアにより、スピードと一貫性が担保されます。残念ながら、これは人間がテクノロジーに太刀打ちできない領域です。CADモデルから、設計分析、生産、出荷にいたるまで「デジタルスレッド」のコンセプトは、サプライヤーにとって必要不可欠です。また真のデジタル マニュファクチャリング企業との協業を求める購買部門にとっての必須要件です。デジタル化領域の例を以下に示します。

  • 自動化された設計分析。わずか数時間で得られる製造性に関するフィードバックにより、エンジニアリング部門は、実際の生産が開始される前に反復設計の迅速なシミュレーションが可能になります。これにより、設計のやり直しが不要になり、開発時間の短縮と生産コストの軽減が可能となります。
  • トレーサビリティ。厳格な文書、記録および改訂管理に基づくデジタル トレーサビリティは、デジタルスレッドの下流(=実際の生産現場)に向かうにつれ、その重要性が増します。デジタル マニュファクチャリング企業は、CADモデルやオンラインのパーツ構成ソフトウェアを使用して、すべての生産過程において顧客要件の記録データを参照することが可能です。このソフトウェアにより、顧客データの改訂管理の実施、また主要な製造性に関するコミュニケーションのデジタル履歴の追跡が可能となります。
  • 検査。サプライヤーの監視および測定システムの枠組みに、検収、自動パーツ探査や工具試験システムなどのマシンベースの検査、工程内検査、最終検査が含まれているか確認することが大切です。

 

4. 材料選定とモニタリング

既に、高品質かつ高コスト効率のパーツを短納期で製造できる、優秀なサプライヤーと取引していても、材料のオプションが限定的、もしくは独自の材料サプライチェーンに課題があった場合、そのサプライヤーの優れている要素(スピード、品質、コスト効率)に影響を及ぼす可能性があります。自社内に幅広い樹脂、金属、エラストマー、シリコンゴム材料を揃え、また顧客が持ち込む樹脂等にも対応でき、さらには供給される材料の透明性を担保しているメーカーを選択することが大切です。このバランスが重要となります。

プロトラブズに導入されているHaas CNCのマシニングセンターは、社内のデジタル マニュファクチャリング工程に特化した構成/設定となっています。
プロトラブズに導入されているHaas CNCのマシニングセンターは、社内のデジタル マニュファクチャリング工程に特化した構成/設定となっています。
5. 生産能力(キャパシティ)

他のポイント同様、生産能力は、設備やテクノロジーといった他の領域に依存している上、納期に大きな影響を与える可能性があります。別の顧客企業からの大型注文が発生したため、担当しているパーツ注文の優先順位が下がったという経験はありませんか?これは、生産能力が安定していれば回避できる事態です。信頼性の高いサプライヤーであれば、通常、生産能力の70~80%で稼働し、生産スケジュールに余裕を持たせることで、出荷への影響を避けています。
高い生産能力に関するもう1つの利点は、前述したようなオンデマンド製造が可能であるという点です。ある特定の製品化段階において複数のサプライヤーと協業し、その内の1社が生産能力に関する課題に直面するような場合、生産能力に余裕のある他のサプライヤーを確保しておくことをお勧めします。パーツをオンデマンドで生産してくれるサプライヤーであれば、資材調達部門のスケジュールは変更されることなく、生産上の問題も回避されます。

 

6. 実績

最後に、メーカーが有する豊富な経験や実績は、サプライヤーの総合的な評価において、考慮されるべき無形の資産(メリット)であるといえます。メーカーは、何百万におよぶパーツを製造し、何万におよぶパーツの形状を解析してきたと予想されることから、企業の創業年数は重要な意味合いを持ち、結果として効率的なパーツ製造が可能か否かを判断するための指針となります。本質的な部分において、経験とは、エンジニアリングの専門知識を備えていることであり、また製造会社の調達部門スタッフが、マシンでは答えられない質問に回答できることを意味しています。これにより、製造の準備段階、製造時、製造後、検査および出荷など、すべてのプロセスにおける検証作業が可能となります。


多岐に渡るお客様のニーズに合ったデジタルマニュファクチャリング企業の選定に、上記のポイントがお役に立てば幸いです。

本件に限らず、ご質問やご不明な点につきまして、下記までお気軽にお問い合わせください。

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