Case Study

3Dデータ活用によりハードルの高い小ロットの

生産要求において短納期・コスト削減を実現

User’s Profile

株式会社リチャーズ
昭和52年の設立以来、釣竿専業メーカとして33年の歴史を誇るリチャーズは、ブランク(竿素材)の開発・設計から自社生産を手がける国内でも数少ないメーカのひとつだ。自社ブランド製品をはじめ、日本国内有名メーカ各社のOEM生産を引き受ける同社の釣り竿は、カーボン及びグラス製で、先径も0.3~7.0ミリと多様。また渓流からルアーロッド

釣竿専業メーカー・株式会社リチャーズ(以下:リチャーズ)は、早くから設計環境の整備に取り組んできた。同社は、小ロット・短納期・コスト削減を実現するために、『プロトラブズ』のサービスを活用することを決定。旧来の2次元紙図面のやりとりやモックアップ製作、加工部門との試行錯誤の繰り返し、といった手間や時間を排除し、3次元データを基盤としたスムーズなものづくりを実現した。そこでは、他に先駆けて取り組んできた3D CADによる設計データが、大きな力となった。

先見の明で、早い時期から設計環境の整備を推進

釣り竿は、基本的な形状が決まっている一方で、新素材開発の足が速く、常に新たな素材の特性を活かしながら、高い耐久性や機能性を発揮する必要がある。しかも、実際の活用場面ではさまざまな負荷がかかる中で、柔軟な「しなり」などが求められるという製品の特性上、厳しい応力設計や強度設計が要求され る。 同社専務取締役 技術部門責任者の鈴木章氏は、そんなニーズに応えるため設計環境の整備について、以下のように語る。「当社は、常に他に先駆けた新技術の 導入に取り組んできました。例えば2DCADなども、中小規模のメーカが採用に二の足を踏んでいた時代から、設計の再活用や図面の流用性などを意識して、 積極的な活用をスタートしていました」 また、釣竿の変形に関わるシミュレーション・プログラムや、複雑な工程管理システムを自ら構築してきた同氏は、「形状を立体的な視覚として把握でき る環境下で、顧客とのコミュニケーションや相互理解を深めたい」という思いから、早い時期から3D CADの導入を推進してきたのである。

ハードルの高い小ロット生産案件に悩み解決策を探る

そうした中、あるメーカから釣竿のリングの改善依頼があった。リングの接着力が弱く、使用中に剥離してしまうトラブル解消という要望である。そこでリングカバーを新たに設計し、リングの剥離を防止する策を打ち出すことにした。 その開発過程でクレイモデルやエポキシ樹脂によるモックアップを作成し、複数の加工業者に打診を重ねた。また生産ロットが小さいこともあって、金型を起こしたのではコスト的に見合わない。そこで、当初はアルミの切削加工を想定した。 しかし技術的に難しいとの回答が続出、引き受け手が見つからなかった。高度な技術をもつ大手メーカも、数百レベルの小ロットでは対応が難しい。そこ で、マシニングセンターなどを積極的に活用していた韓国の業者にも問い合わせたが、「一日に1~2個しか生産できない」という返答だった。

リチャーズが作成した釣り竿のリングカバーの3D CADデータ。プロトラブズのサービスでは、このデータを解析して見積りから生産へ展開することによって、短納期と低コストを実現している。

万策尽きた時に出会ったプロトラブズの切削加工と射出成形

やプロセスもいらない。 プロトラブズは、アップロードされた3次元データの解析を行い、修正が必要な場合にはその旨を図解付きでフィードバックし、見積金額も顧客の設計データ から割り出す。それがスピードと低コストを実現する秘密でもある。 「私自身、以前から3D CADを活用してきましたが、そのまま製造過程に回せるような『きれいなデータ』を作ったことがなかったのです。急いでアップロードしたものの、面同士が つながっていないなど、不備があることが分かりました。しかし、丁寧に電話対応してもらい、順調に正規化が図れました。初めての利用者としては、そんな ヒューマンなサポートもありがたい限りでした」

ひとつの3D CADデータでスピードとコスト削減を両立

こうして、200個の製品は発注から1週間で手元に届いた。「いずれにしても当初から3D CADを活用し、開発成果を3次元のデジタルデータとして形成・蓄積してきたことが、成功のカギとなりました。そのおかげで、データを製造工程に引き継ぐという文化への移行を、順調に実行することができたのです。リードタイムや納期の圧縮、コスト削減、小ロットへの対応は、私たち製造業が直面する不可避の課題です。そのソリューションとして、プロトラブズのサービスを今後も大いに活用したいですね」

検索されたキーワード ""