Case Study

"餅は餅屋”の発想が「自分でできた!」の感動を

自立支援ロボット「アクティブギプス」

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User’s Profile

株式会社ルミナスジャパン

http://www.luminous.co.jp/

本社  : 新潟県村上市羽ケ榎 68
設立  : 1966 年 10 月
資本金 : 1,100 万円
代表者  代表取締役 富樫克行
ジャンル:医療・ロボティクス
目的  : 筐体・内部パーツの試作・小ロット生産

課題

  • 開発予算が限られている中、完成品同等の強度、精度を持つ 試作パーツで省庁の認可を取る必要がある
  • 樹脂設計のノウハウに不安がある。デザインに流線型を活かしたい

解決

  • 低コスト、小ロットで利用できる射出成形サービスの活用により大幅な金型費のコスト削減を実現
  • 設計データ修正点の“見える化”や材料アドバイスなど、射出成形初心者でも分かる的確なヒューマンサポートを受け、設計業務に集中

 

製品・製作パーツ概要

  • “アクティブギプス”は、事故などで上腕に障がいを持つ方が「諦めないで済む」、「自分でできた!」と思ってもらうことにフォーカスした自立支援用装着型ロボット
  • 本製品内の計4パーツを左右1セットずつ、射出成形の小ロット生産をプロトラブズに依頼

アクティブギプスは手のひらの感圧パネルにより、装着者の必要なタイミングで肘関節の保持を行う。これにより車いす操作などの“押す動作”を支援。「上腕の障がいを機械のパワーでアシストするのではなく、残存機能を最大限に活かすことで『自分でできた!』という自信を持っていただき、ひいては人生の豊かさに繋げていただきたい」そう語るのは開発を主導した小林安之氏。“動作”ではなく“人”にフォーカスした、全く新しい自立支援ロボット。そんな同社の“挑戦”に一役買ったのは、プロトラブズの射出成形サービスでした。

「射出成形のノウハウもリソース、経験もない。 しかし新規事業にはチャレンジしたい。 小ロット・低コ ストで“挑戦”の手助けをし てくれるプロトラブズのような存在はとて も心強いです。」

「射出成形のノウハウもリソース、経験もない。 しかし新規事業にはチャレンジしたい。 小ロット・低コ ストで“挑戦”の手助けをし てくれるプロトラブズのような存在はとて も心強いです。」

株式会社ルミナスジャパン
開発課 新商品開発グループ グループ長

小林安之 氏

「そもそも、どんな困りごとがあるのか」ゼロからスタートした開発

新潟県村上市にあるルミナスジャパンは、昭和23年に創業。人工真珠の製造からスタートし、電球製造などのガラス事業やLED照明、ロボット技術を中心に事業を展開してきました。

「ガラス細工である人造真珠の製造からスタートし、同じガラスを使う白熱電球にシフトして事業展開をしてきました。しかし近年のLED照明の普及によりこの白熱電球だけでメインビジネスにするのは限界があるので、新たな事業に挑戦するタイミングを以前より模索してました。そこで電球製造で培った産業ロボット技術を、例えば介護分野で活かせないかと開発課の小林に話してみたんです」(代表取締役 富樫氏)

しかし、「当初は前途多難でした」と小林氏は当時を振り返ります。「市場はどういうロボットを求めているのか」「そもそもロボットとは何を指しているのか」「介護の世界ではどんなことに困っているのか」。業界固有の暗黙知も多い中、小林氏はまず基本的な情報の収集に奔走したと言います。

2011年秋、現在は三重大学で教授を務めている矢野賢一教授と出会い「“できない”を“できる”に変える」のではなく「“できる”を最大限引き出す」という思想に共感。共に「自立支援ギプス」の構想を練っていきました。

開発が進むほど深まっていく樹脂設計の悩み

同社が“アクティブギプス”の開発に関わるようになったのは2012年の春から。矢野教授が開発を進めていた“アクティブギプス”のサーボモーターの改良を手がけ、2013年に試作機を使って実地試験を重ねていきました。その甲斐もあり、2015年には厚生労働省から助成金を受けることになったと小林氏は話します。

しかし開発が進んでいくにつれて新たな悩みも出てきました。機械設計の経験は豊富にある小林氏も、「樹脂設計」に関しては初めての挑戦。製品化するにあたり、厚生労働省から認可をもらうには3Dプリンターで製作したパーツだと強度や精度の面でも不安があったそうです。

「試作機でも、実際の製品と同レベルの強度を持たせないといけない。しかし、成形部品ひとつ作るにも自社で金型を作る必要があり莫大な費用がかかるんです…どうしたらいいのかと悩んでいたとき、他事業で利用経験のあった、専務からプロトラブズを紹介されました」(小林氏)。

小林氏は早速オンライン上で見積もりを依頼。見積もり回答とほぼ同時にカスタマーサービスよりコンタクトがあり、希望納期やコストのほか、精度や強度など不安に感じていたことを丁寧にヒアリングし、テクニカルな相談にも乗ってくれたことから発注を決意されたとのこと。

「樹脂設計について具体的にサポートしてくれ、ギプスの利用用途から耐候性や強度に優れた材料(ABS)を提案してくれました。おかげで、『身体に装着するものだから、できる限り小さく見せたほうが良いかもしれない『』だったら流線型、丸みをつけるといいかも』など、私はデザインの精度をあげることに集中できました」(小林氏)

また、こうして練り上げたデザインもプロトラブズは正確に成形パーツとして製作したため「納期だけではなく、大幅な金型費のコスト削減もできました。精度も含めたクオリティにも大変満足しています」と小林氏は続けます。

“餅は餅屋”の発想。プロトラブズはアイデアをカタチにする手助けをしてくれた

「開発を進めるにあたって、私たちに専門技術がない場合はどうすればいいか度々悩みました。私たちが支援したいと考えている障がいをお持ちの方も“ない”ものを自身でできる限り補っている。しかし、それでもできないことは人の力を借りている。私たちも同じように、まさに”餅は餅屋”の発想で、人の力を借りれば良いと考えたんです」(小林氏)そして、補装具の肘継手のJIS強度試験を参考に検証を行ない、アクティブギプスは今後、厚生労働省の認可を取得する見通しとのこと。

「この製品は試作評価中にアドバイスをしていただいた上腕に障がいをお持ちの方、矢野教授、そして『思いっきりやってみろ』と見守ってくれた富樫社長など、たくさんの方々の後押しがあって生まれました。ノウハウがない、勉強しようがない、成功しているのか失敗しているのかすらわからない。そんな開発環境でもプロトラブズのような、アイデアを“カタチ”にするために手助けをしてくれた会社もあったからこそ、実現できたのだと思っています」(小林氏)

 

※H25-27年 障害者自立支援機器等開発促進事業
「アクティブギプスの活用で、少しでも障がいをお持ちの方の生活が“豊か”に なれば、これ以上の喜びはありません」と語る富樫社長(左)と小林氏(右)

「アクティブギプスの活用で、少しでも障がいをお持ちの方の生活が“豊か”に なれば、これ以上の喜びはありません」と語る富樫社長(左)と小林氏(右)