Case Study

パーツ開発を加速し 従来3~4ヶ月かかっていた製品が数日から数週間で製造可能に

産業用小型ドローンの小ロット生産にオンデマンド受託製造を活用

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ロッキード・マーチン社

産業用ドローン「Indago Quadcopter」:折り畳み式で重量約2.3kgの産業用ドローン。小型でありながら飛行時間は最大積載状態で平均45分強を実現。操縦可能範囲は約5km


ロッキード・マーチンの子会社Procerusが開発した、業務用ドローン「Indago Quadcopter」。代表的な利用者はカナダ騎馬警察隊(RCMP)で、捜索・ 救助、交通事故の再現、犯罪現場の法鑑定をはじめとする様々な空中からの警察業務にこのドローンが活用されています。利用者の多くはRCMPのような捜査機関、一般市民で構成される救助隊、あるいは軍隊ですが、他にも消防、不動産、農業、建設土木など多岐にわたって活用されています。
同社が3D プリンターによる試作から射出成形による試作に踏み切ることになった経緯や、製造性を意識した設計を支援する製造性解析機能(DFM)の活用などについてご紹介します。

設計プロセスを加速させた自動見積りシステム

課題を解決するにあったては一人で考えず、同僚に相談することが解決の近道であることが良くあります。
Indago Quadcopterの開発を担当したミゲル・ペレス氏は、プロトラブズを利用したことのある同僚と話をしたことで、プロトラブズの早さを知ったことが開発の全プロセスにおける決定的なステップだったと振り返ります。設計プロセスを加速させるためにも、とにかく早くパーツを必要とするのは製品開発における常であり、短納期製造の重要度が増すポイントということです。
早さは納期だけでなく、見積りも早かったことについても設計プロセスの加速効果が絶大だったと言います。
プロトラブズの自動見積りシステムは、製造性を意識した設計を支援する製造性解析機能(DFM)を搭載しており、そのパーツが製造可能なのか、設計変更が必要か、どのように変更する必要があるのか、3D CADデータをアップロードすると平均3時間で回答があります。「他の業者では、見積り回答に1週間かかることもあるので、違いは明白です。」とペレス氏は述べています。

製造性解析を射出成形のガイド役として活用

 

ペレス氏は、製造を依頼するにあたって、どのパーツでも製造性解析がガイド役として重要な役割を果たすことに気がつきました。Indagoのパーツは元々は3Dプリンターによる試作形状になっていました。DFM解析はそのパーツを射出成形による小ロット生産に展開するための設計変更をしていく際のガイド役になったのです。

ペレス氏が直面した課題は、3Dプリンターによる試作のための初期設計を「射出成形で成形可能な」設計に変更することでした。『そのパーツが成形可能であるかどうか、金型とパーツにどのくらいのコストがかかるのか、大抵はその日のうちにわかります。プロトラブズの見積りシステムは、射出成形パーツの設計を私に教えてくれたとも言えます。今回の製品開発をするまでは、私は射出成形パーツの設計についての経験は、あまりありませんでした。』ありのままのモデルをアップロードすると、見積りの3Dビューで金型の固定側(キャビ側)、可動側(コア側)の構成や、スライドが必要な部分がわかり、成形不可の形状がハイライトされていたりします。

Lockheed Martin-procerus Technologies 社
メカニカル エンジニア
ミゲル・ペレス氏

『その後、フィードバックされた情報に基づいて、設計思想を維持しつつ、そのパーツを複数の組み合わせのパーツになるように分割しました』とペレス氏は説明します。パーツを修正したら再度アップロードし、さらなるフィードバックを見積りシステムから得ます。このフィードバックで、金型がどのように作られるのか、見落としたアンダーカット、必要な抜き勾配の角度や適切な抜き方向、金型加工に使用する工具の関係上、必要なフィレットや成形ができない形状などが明確になります。

『このようなデータの修正とフィードバックのサイクルが迅速に行われたことで、より素早く反復設計のアプローチが実現できました』とペレス氏は述べています。「このプロセスによって、その形状は成形性の観点からどうなのか、また成形性を考えた設計をするには何をすべきか、より効果的に学ぶことができました。そして、見積りに含まれる製造性の解析結果を、どのようにパーツを修正する必要があるのか、それをより少ない設計の反復で実現するにはどうしたら良いかを考えることができました。

新しいデータをアップロードし、私が見逃した修正すべき形状にも注意が向けられ、それらを確認することで正しい方向に向かうためのフィードバックを迅速に得ることができたのです」

射出成形による小ロット生産へのスムーズな移行

ペレス氏によれば、ドローンの初期のコンセプトモデルは、ナイロン樹脂を使ったSLS(粉末焼結積層造形)方式の3Dプリンターで造形されました。そこで、ペレス氏は、射出成形にすると、どのくらいのコストになるかを知るために、いくつかのパーツに対して射出成形の見積りを取りました。目的はコスト感の調査でした。ドローンの注文量が増加していたので、射出成形でパーツ製造をすることについて経営陣を説得できるかどうか確認をするためでした。

自動見積りシステムの製造性解析機能が、射出成形パーツの設計を支援し、ドローンのパーツを射出成形で作ってもコストの問題はないと確信に至ったわけです。そして同社経営陣の承認を獲得しました。

耐衝撃性を強化したナイロンを使って、プロトラブズで製造したIndago用のパーツの一つ

その時から射出成形による小ロット生産への移行が決まりました。ペレス氏によれば、現在、プロトラブズの射出成形サービスは、最新のIndago 2用とIndagoの小ロット生産用の両方のパーツの製造を担っており、材料は、耐久性のあるナイロンを使っています。元々、そのパーツはSLS(粉末焼結積層造形)ナイロン12を使って作られていました。現在は特に強度のあるナイロン66を使った射出成形で製造しています。これにより、パーツ全体の強度が改善されました。

Indago 2は201512月に販売が開始されています。ペレス氏も、彼の同僚も結果に満足しており、特に開発のスピードについて、その大きなインパクトを語らずにはいられませんでした。射出成形でパーツを作ると決定してから4か月で、最終製品用のパーツを手にし、組み立てることができたということです。