Case Study

製品化への想いを成形する

オンデマンド射出成形で独自システムの製品化を果たした鹿児島の医療系ベンチャー、クリティカ

照明・空調・施錠管理システム用パーツ

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User’s Profile

有限会社クリティカ

 

本社   :東鹿児島県鹿児島市郡元3丁目2-1
設立   :1887年 4月 1日
資本金  :10億円
代表者  :川畑 善之
ジャンル :産業用ワイヤロープ
目的   :小ロット生産

課題

  • システムの製品化において機器の筐体製造が難題
  • 3Dプリンターは仕上がりが不安定、本金型はコストが予算外
  • 射出成形のための金型設計は未体験



解決

  • プロトラブズの設計パートナーと連携し確かな金型設計を実現
  • 小ロット生産サービスを活用し予算内でスピーディに製品化

 

製品・製作パーツ概要クリティカ様

  • 事務所などの照明・空調・施錠を一元管理し自動化する システム
  • 計5点の機器の筐体をプロトラブズのオンデマンド射出 成形で小ロット生産(12タイプ/各250個)

 


例えば外出の際、ボタンを押すと自動で玄関の鍵が開錠し照明が点灯。同時に部屋の照明やエアコンが消え、時間が経過すると玄関が施錠され消灯する。そのように照明や空調、施錠の管理を自動化できれば、利便性が高まるだけでなく省エネにも役立つ。そんな発想で自身が経営する眼科医院を実証実験に使い、システムを完成させた鹿児島の個人ベンチャー、有限会社クリティカ。同社取締役の川畑善之医師が開発したCL-SYSTEMは、オープン技術をベースにしたLAN型ホームオートメーション・ソリューション。世代ごとに改良を重ね、日々進化を続けています。着想をすばやくかたちにするそのものづくりを支えたのは、プロトラブズのオンデマンド製造サービスでした。

有限会社クリティカ
開発営業部長

秋田和樹 氏

自前のシステム開発、ゼロからの出発

「俺は基板を作るから、おまえは箱を作れ」。鹿児島にあるベンチャー企業、クリティカの開発営業部長、秋田和樹氏が社長の川畑善之氏からそう言われたのは、2017年2月のこと。

クリティカは、同県で眼科医院を経営する川畑医師が電子カルテの開発などを目的に立ち上げた医療系ベンチャーで、現在の従業員は川畑氏と秋田氏のふたりだけ。2年前より院内の照明や空調、施錠などを自動化するシステムの改良、開発にあたっています。

当初、市販のモジュールや技術を使ってシステム構築を模索していた川畑氏でしたが、海外メーカーの販売するパーツの入手難などに業を煮やし、基板から自前で作ることを決心。そこで長年のつきあいのある秋田氏を誘い、製造を任せたのです。川畑氏が 作れと言った“箱”とはすなわち、基板を収める筐体のことでした。
しかし、それまでホテルマンを務めていた秋田氏にはものづくりは未知の世界。機転と行動力には自信はあったものの、いったいなにをどこから始めればいいのか、ゼロからの出発でした。

3Dプリンターの限界、本金型のハードル

そこで手探りながら秋田氏は3Dプリンターで“箱”作りに取り掛かりました。しかし、それは思うようにいかなかったと氏は振り返ります。「仕上がりが粗く、条件によって造形にばらつきがあるのです。一日かければそれなりのものになりますが、それでは遅すぎて話にならない」。

3Dプリンターの限界を知った氏は、京都の老舗金型業者を訪ね、製造について相談しますが、品質の確かな本金型では、一度のロット数が数千個にもおよび、とても予算に合いません。諦めかけたところ、そこでひとつの方策が見つかりました。「簡易金型のことを知ったのです」と氏は話します。それは小型パーツを数百単位で成形する小ロット生産のこと。それこそまさに秋田氏の求めていたものでした。

「あうんの呼吸」の設計支援体制

そこで手当たり次第に金型業者に当たっていたところ、秋田氏はネット検索でアルミ製の金型にて一個から製作可能だというプロトラブズの存在を知ります。「第一印象から他社とまったく違っていた」と氏は話します。「門前払いする業者が多いなか、オンラインで即座に見積もりがわかり、問い合わせには丁寧に答えてくれました」。

さらに秋田氏が助け船と感じたのは、設計支援でした。「プロトラブズの設計パートナー、テクノブレインを紹介してもらい、ラフなデータを送ってお願いすると、こちらの意を汲んで、強度や肉厚や抜けや流動性を踏まえた金型設計にすばやく仕上げてくれました」と氏は語ります。「プロトラブズをふくめ、あうんの呼吸で仕事ができるので、開発に勢いが生まれました」。

2018年5月、切削での試作を終え、見積もりから4週間ほどで、第一世代の樹脂製筐体は完成します。部品は全部で12タイプ、それぞれ250個という小ロットで生産できたため、コストも製造期間も本金型の半分以下に抑えることができました。

このほかにも調色へのフレキシブルな対応が優れていたと秋田氏は話します。「樹脂に川畑のこだわる特殊な色を注文したのですが、届いた完成品が見本とあまりにそっくりだったので驚きました」。

スムーズな市場投入、協業による事業化にも意欲

2019年5月、「リレーターミナル(照明器具ON/OFF制御)」、「ディマーターミナル(調光制御)」、「JEMターミナル(施錠や空調機のON/OFF制御)」、「LCDスイッチ(Wi-Fiでの機器操作)、「RFIDキー(非接触の施錠制御)」を完成させたクリティカはCL-SYSTEMのネット販売を開始します。

「従業員の多い事務所などで、各部屋の照明やエアコン、ドアの施錠などを自動化して、さまざまな手間を省くのに最適です」と秋田氏は説明します。「一度設定してしまえば、あとはなにもしなくていいので、鹿児島弁で言う“てそがり(面倒くさがりや)”の人々にはとくにおすすめです」。

さらにこのシステムは、家電設備を自動化する家庭用ホームオートメーション技術としても期待されています。今後はソフトウェア会社や設備工事業者と手を組み、協業による事業化にも力を入れていくという秋田氏、「今後も開発は手はゆるめません」 と話します。「夢物語に聞こえますが、このシステムが汎用技術として普及するまで頑張ります。それまでプロトラブズとは長くおつきあいしていきたいですね。これほどニーズに合った製造サービスは他にありませんから」。