Case Study

シビアな新機能検証が必要な試作を支援する

超短納期切削加工が実現した新発想の製品

User’s Profile

バルミューダ株式会社
ミュージシャン出身の社長によって2003年に設立され、「最小で最大を」という理念で、ユニークな製品開発を世に送り出している独立系のメーカーである。2010年には、馴染み深い扇風機を、全く新しい設計で自然の風を送り出す扇風機に変貌させたGreenFanが、大きな ヒット商品になった。現在では、この製品を皮切りに、これまでに無かった新たな空調系のソリューションを提案する製品の開発を積極的に進めている。

2003年に創業されたバルミューダ株式会社は、機能とデザインにこだわったユニークな製品を世に送り出している独立系のメーカー。その同社が、2010年に送り出したヒット商品が、これまでになかった扇風機「GreenFan」だ。エアソリューションを追求する同社は、そのテクノロジーを活かしたサーキュレータを開発した。半年という厳しい開発期間にも関わらず新たな機能を実現するための試作に大きな貢献をしたのがFirstcutであった。

デザイン性と新機能を検証できる 試作ソリューション

2010年の夏、多くの家電量販店で高級扇風機としての地位を確立し、話題になった扇風機「GreenFan」を記憶する人は多い。ヒット商品になったユニークなこの扇風機は、デザインもさることながら、独自の断面を持つ14枚の羽によって、非常に低電力で静かで大容量の空気を送りながらも、その風は人に優しい。バルミューダ株式会社の開発部部長の大本雄也氏は、「私たちの製品は、いわゆるデザイン家電ではありません。私たちは常に、ユーザが確かに感じられるメリットを意識して、何か革新的な機能を取り入れて開発をするということを意識しています」と語る。その意識にこだわって開発されたのが「GreenFan」であり、「GreenFan2」、そしてサーキュレータである「GreenFan Cirq」だ。 バルミューダ株式会社では、製品のデザイン自体は、創業者で社長の寺尾玄氏が行い、それを製品として形に仕上げていくのが大本氏の役割だ。寺尾氏が、実現して欲しいと大本氏に要求する機能はチャレンジングなものが多いようだ。例えば、今回 開発に初めて本格的にFirstcutを活用したGreenFan Cirq だ。現在市場に出回っているサーキュレータは、傾きをつけるためにファンのケージの中央に軸を通して、その軸周りに傾きの角度を調整するが、GreenFan Cirqでは、台座の上を円弧上のスタンドが滑るようにして、角度を調整する。軽く手で押すだけで 角度が変わるのに、任意の角度でぴたりと止まりその仰角を維 持する。 大本氏は設計業務を、フルに3Dで行なっており、この機構の設計も3Dだ。3Dは2Dに比べて多くのことをデジタルで検証できるが、初めて設計する機構が、意図どおりに機能するかは、試作しないとわからない。機能試作であるだけに、やはり使用する材料はどれでも良いというわけにはいかない。 そこで、大本氏は、まずFirstcutを用いて機構単品の試作を行い、機構が設計通りに機能するかどうかを検証した。そして、その試作によって機構が設計意図のとおりにできることが確認できたところで、実際の製品形状に合わせた形で機構を試作した。「Firstcutでは、あらためて図面を作成する必要がなく、普段の設計で使用している3Dデータがそのまま使えましたから、そのメリットも大きかったと思います」と大本氏は語る。 ちなみに、この機構は現在特許出願中とのことだ。

多様な材料を検討し目的の機能のために納得いくまで試したい

しかし、それ以上に大本氏が一番のメリットと語るものがある。それが、選択できる材料の豊富さだ。開発工程の中では、求める機能の実現とともに、ターゲットとなるコストを実現しなくてはならない。それを左右するものの一つが材料である。例えば、ある部品の最初の試作はアルミで行いながら、量産品ではコストの関係で樹脂部品を使用するという時に、最終的に求めるものを決定するまでに、いくつもの素材を使って試作を行いたいということはごく普通であろう。 Firstcutでは、アルミだけでなく、さまざまな種類の樹脂が用意されており、多様な材料のバリエーションを考慮した試作を行うことができる。通常、一般的な試作業者に頼むと、材料ごとに見積りの金額が異なったり、期間も一定でなかったりすることは珍しくない。しかし、Firstcutでは、3Dデータをアップロードした後のプロセスは標準化されているため、そのような心配をする必要がない。 大本氏は、「依頼する側からすれば、同じ窓口に依頼して、同じラインを使いながら異なる材料を使用した試作部品が、確実に仕上がってくる、というメリットは大変に大きいのです」と 語る。

短い開発期間の中でスピードと品質を同時に満たすソリューションの必要性

ここで述べた機構の開発も含めて、新製品には革新的な機能を組み込むという方針で難易度の高い開発を進めている大本氏だが、今回のGreenFan Cirqではさらに、短い開発期間というハードルも存在した。機能を検証するためにも、迅速に試作のプロセスを回すということは、今回の開発でも非常に重要な要素であった。一般的に試作を依頼する場合、見積りそのものにも時間がかかることが多い。しかし、Firstcutの場合には、3Dデータを送れば24時 間以内に見積りがくる。何か問題があればビジュアルに問題を確認でき、また材料の変更などについても、インタラクティブに確認することができる。さらに、Firstcutでは、部品の大きさや形状にもよるが、1日から3日で手元に届き、すぐに確認することができる。大本氏は、「社内でできる業務は自分が頑張れば期間短縮できますが、社外に出さざるおえない仕事でいかに短縮をはかるかが全体の開発期間に関わってきます。スピードは、コストでもあります。単純に出来上がった部品の単価という以上に、スピードには、単純なコストには換算しきれないコスト効果があるのです。」 と語る。これはチャレンジングな開発を進める多くの企業にとって非常に大きなメリットではないだろうか。 

GreenFan Cirq(グリーンファ ン・サーキュ)は、最小のエネルギーと最小の騒音で強力な風 を送り出す。その力は15メート ル先の空気まで動かすため、部屋の中の上下の温度差を素早く解消することができる。

 

(上)GreenFan Cirqで使用 する新機構の確認のため の試作
(下)実際に製品で使用す るための試作
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